右腕を回し過ぎていた
平均スコア90でドライバーの飛距離は240~250ヤードというアマチュアの鳥谷部勝さん。現在の悩みを聞いてみると、
「練習ではそこそこ打てるんですが、コースへ行くとドライバーが不安定になって、チーピンなどのミスが出てしまうんです。左へのミスを減らしたいので、今はフェードボールを打てるように練習中です。ドライバーを安定させて、飛距離アップしたいですね」という。
さっそく、何球かドライバーで打ってもらい、原田プロがスウィングを動画で撮影してチェック。ドライバーショットが安定しない原因として、原田プロはトップでの手とクラブのポジションを指摘。
「トップで手元がかなり低く、極端にフラットになっています。インサイドにバックスウィングを引いて、切り返しからダウンスウィングではアウトサイドから下りてくる、“逆ループ”のスウィングになっていますね」(原田、以下同)
極端にフラットなトップになってしまうのは、バックスウィングからトップまでの右手の使い方に問題があるという。
「右手のグリッププレッシャーが強く、右手に頼ったスウィングになっていますね。バックスウィングでは右腕の外旋(腕を外側に回す動き)とともに、右手のひらが上を向くように右前腕が回外(ひじから先を外側に回す動き)するため、手元が極端に低くてフラットなトップになってしまうんです。まずは右手を柔らかく使えるように、グリッププレッシャーを抜きましょう」
次に、バックスウィングからトップにおける、右前腕と右手首の正しい使い方をレッスン。
「バックスウィングでは右前腕を回外させないで、トップの直前で右手首が甲側に折れるように動くのが正解。この右前腕と右手首の動き方を少し意識して素振りをしてみましょう」
ただ、右手で意識的に形を作ろうとしてはダメだと原田プロ。
「右手のグリップはソフトに握っておいて、手先ではなく体を使ってテークバックを始動します。バックスウィングの勢いによる慣性とヘッドの重みによって、バックスウィングの後半で自然と右手首が甲側に折れ、トップでは右手の指の付け根でクラブを支える。これが理想の動きです」
それを意識した鳥谷部さんの素振り動画を見ると、レッスン前に比べるとトップで手元が高い位置に収まり、切り返しからダウンスウィングの逆ループの動きもかなり改善されている。実際にボールを打つと、まだ悪い動きが少し出てきてしまうが、それは慣れの問題。素振りと実打を繰り返すことで、徐々に球筋は安定してくるはずだという。
最後に、原田プロのレッスンを受けた感想を鳥谷部さんに聞いてみた。
「今まで自分が考えていた動きと違う右手の正しい使い方など、とても勉強になりましたね。原田プロに教えていただいたポイントを意識して練習して、正しいスウィングを身につけたいと思います」
協力/富里インターゴルフ練習場