プロのフィニッシュというと、シャフトが地面と平行のポジションにピタッと収まる印象があるが
、鈴木愛の場合、正面から見たときにシャフトが右斜め上を向く。これは一体なぜなのか。素朴な疑問をプロに聞いた。

手首の使い方に秘密があった

「鈴木愛選手の特徴として、フェースローテーションを非常に多く使うということが挙げられま
す。フィニッシュでシャフトが上を向くのは、この動きによるものですね」

画像: 鈴木愛はフィニッシュでシャフトが上を向いている(写真は2019年のサントリーレディス 撮影/姉崎正)

鈴木愛はフィニッシュでシャフトが上を向いている(写真は2019年のサントリーレディス 撮影/姉崎正)

そう語るのはプロゴルファー・中村修。この鈴木の特徴的な手首の動きは、渋野日向子と比較すると一目瞭然となる。

鈴木と渋野はともにピンの契約選手。鈴木はG410LST、渋野はG410プラスと、使用ドライバーも姉妹モデルだが、インパクト前後のフェースの動かし方はまったく異なる。

画像: ピンの契約選手の鈴木愛(左)と渋野日向子(右)。スクェアグリップでトップではフェースが斜めを向く鈴木に対し、渋野はフックグリップに握りトップでフェースは空を向く

ピンの契約選手の鈴木愛(左)と渋野日向子(右)。スクェアグリップでトップではフェースが斜めを向く鈴木に対し、渋野はフックグリップに握りトップでフェースは空を向く

スクェアグリップでトップではフェースが斜めを向く鈴木に対し、渋野はフックグリップに握りトップでフェースは空を向く。鈴木が切り返し以降フェースを閉じるように使いながらインパクトを迎えるのに対し、渋野はフェースの向きをキープしたままインパクトへと向かう。その結果、渋野の押し込むようなインパクトに対し、鈴木はフォローでクラブが地面と平行になったとき、左手が正面を向くくらい、手首をローテーションさせている。

画像: ここでもフェース向きに注目。体のポジションは似ているが鈴木(左)のクラブのフェース面は、渋野(右)よりもターンしている

ここでもフェース向きに注目。体のポジションは似ているが鈴木(左)のクラブのフェース面は、渋野(右)よりもターンしている

手首をターンさせると、クラブは「立つ」。立ったまま体をターンさせ続けることで、シャフトが上を向くフィニッシュが完成するというわけだ。当然、球筋はドロー系となるため、ティショットを逃し気味に打った場合はシャフトが平行に収まるのも注目すべき点。鈴木愛のフィニッシュでのシャフトの角度に着目すれば、意図した球筋が予想できる。

画像: 鈴木(左)はフィニッシュでシャフトが上を向いているが、渋野(右)は地面と平行だ

鈴木(左)はフィニッシュでシャフトが上を向いているが、渋野(右)は地面と平行だ

「大型ヘッドはフェースターンを抑えて打つというのが定説ですが、鈴木選手のスウィングは『大型ヘッドをターンさせて打つならば、これくらい思い切ってやるのが正解』ということを教えてくれます。鈴木選手と渋野選手、同じメーカーのクラブを使う二人の選手のスウィングが対照的と言っていいのは、スウィングの正解がひとつではないことの証拠とも言えそうです」

中村曰く、大型ヘッドのドライバーを使用して球がつかまらずに困っているという人は、思い切って(それこそフィニッシュでシャフトが上を向くくらい)手首をターンさせてみるというのもひとつの手だという。最新ドライバーを買ったはいいけれど、つかまらなくて売却を検討している。もしもそんな人がこの記事を読んだならば、まずは練習場で鈴木愛イメージで振ってみるのがオススメだ。

ただし、カット軌道でボールが左に出るタイプの人が真似すると、左に出て左に曲がるチーピンの危険性がある。そういうタイプの人は、ヘッドをターゲット方向に突き出すように手首をターンさせるイメージで、試してみよう。

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