石川遼の3連続優勝への期待が高まった最終日
KBCオーガスタ最終日は、雨足の激しい中のスタートとなりました。アウト1組目、アマチュアの出利葉太一郎や2組目の池田勇太が出る時間帯が今日イチのひどい降りで、一番グリーン上には水が浮いて来ています。
今日の撮影はまずこの二人から開始。週刊ゴルフダイジェスト誌上で、出利葉くんの先生である篠塚武久さんが連載している関係もあり、まずは彼のスタートホールを撮り、池田勇太のスタートも撮ります。
今週の期待は何と言っても石川遼の3戦連続優勝でしょう。当然、石川シフトで臨みます。最終組の今平周吾、M・ヘンドリー、比嘉一貴をスタートから追いかけつつも2番ホールを終えると、隣の6番ティに向かいます。
そこには1組前の組がいたので、更に遡ります。5番セカンド地点で石川組を発見し、そこからこの組をフォローです。昨日石川がイーグルを決めた6番ホール、セカンドショットがグリーンオンせずアプローチを寄せるもバーディならずのパー。計算していたパー5でのパーで、逆転優勝の希望が小さくなります。
6番グリーンや6番セカンドショット、それから7番ティ辺りで後半の組を順送りに撮りながら、まだ一縷の望みを持って9番パー5の石川の組に向かいます。ギリギリでパットに間に合うも、残念! イーグルならず。でもバーディ。
10番への移動中、観客の「ボール下さい!」の声に快く振り向きざまにボールを投げ渡す石川。ムム! 流石、クール!!
リーダーズボードでは、朝一番で撮影した出利葉くんが素晴らしいスコアで最終ホールに向かっています。で、その姿を撮りに18番グリーンへ。バーディならずのパーですが2桁アンダー「-10」でホールアウト。ベストアマ獲得です。
開催コースの芥屋GCインコースは、あまりクラブハウスから離れることなく戦況を睨みながら動くことが可能です。バーディ量産ホールの13番を軸にスコア上位選手を撮影し、石川の上がりホールに間に合うよう18番へ。
このホールバーディでホールアウトと思いきや、この後アテスト中に、グリーン上で自身のボールマークをずらし、それを戻し忘れたことが判明。2打罰が与えられてボギーに。3戦連続優勝ならず、でした。
福岡空港20時台発の飛行機で、まさかのサプライズ
さて、18番セカンド地点に比嘉が来ました。フェアウェイ左からUTかな、大きなフォローから放たれたボールはグリーンオン。カップ手前5メートル位か。
今年初の試みで、ギャラリーをグリーンサイドまで入れて観戦してもらう、とのアナウンス。ぐるり18番グリーンはギャラリーに囲まれました。そして静寂……放たれたボールは直線からスライスラインに乗ってカップイン。イーグルで仕上げました。大会新記録26アンダーです。
すべての任務を終え、芥屋GCからレンタカーを走らせ福岡空港へ。そこから20時台の便で東京へ帰ります。座席は12G普通席。今日の反省をしつつも寝るかなぁ、と飛び立つのを待っていると、おっ! 優勝者の登場です。
「おめでとう。で、座席はどこ?」と聞くと、えっ隣ですか! 18時台の便を予約していたが、間に合わずこの便になったとのこと。そりゃそうでしょう。チャンピオンの隣とは光栄ですよ。おめでとう〜……と気が付けば私、寝ちゃいました。
羽田に降下する気配で目が覚めると、隣のチャンピオンは起きてる様子。「みんなのゴルダイジェスト」に書くかも、との了承の上雑談させてもらいました。
好きなプロは誰ですか? と聞くと南アのルイ・ウーストヘーゼンと英国のルーク・ドナルドとの答え。特にウーストヘーゼンとのこと。
比嘉一貴にとってゴルフって何ですか? とベタな問いにはしばし考え込んで、
「ゴルフしかできませんから僕は。始めたころから楽しいだけで続けてきましたし、辛いときがあっても、それを乗り越えることの楽しさでやってきました」
目指してることやタイトルはありますか? との問いには、これまたしばし考えて、
「とくにないかなぁ。来年のオリンピックには出たいです」
帰路に各方面からのお祝いの連絡が入ってきていた比嘉。もちろん、高校の先輩比嘉真美子からのもありました。