女子ツアーでもっとも初優勝が期待される選手の一人・松田鈴英。ツアー屈指の飛ばし屋でもあるショットメーカーの松田が、ルーキーイヤーからかれこれ2年以上続けている練習法がある。それは一体どんな練習法なのか、一体なぜ続けるのか、本人とコーチに聞いた。

「軌道の確認をする練習です」

女子ツアー「ゴルフ5レディス」練習日の練習場に、飲み口の上にゴムティがくっついている500ミリリットル入りペットボトルを持ってきた松田鈴英。ウォームアップを済ませると、そのゴムティにティアップをし、シャフト長の短い練習用アイアンで打ち始めた。ティの高さはおよそ20センチといったところか。

画像: 短いアイアンに高いティの組み合わせで練習する松田

短いアイアンに高いティの組み合わせで練習する松田

ただ打つだけでなく、片手で打ったり、クロスハンドで打ったりと、いろいろ工夫しながら練習していたのだが、実はこの練習法、松田にとってルーキーイヤーだった2017年の三菱電機レディス練習日にも同じように黙々とこなしていた。

2年前は「手打ちにならないため」にやっていたというこの練習、今はどのような意図でやっているのか松田に直撃してみると「最下点の確認と、クラブが下から入ったり、上からバーンっていかないようにしたり、軌道の確認をする練習です」と答えてくれた。

それにしても、2年間同じドリルを継続するというのは意外と珍しい。その理由を、コーチを務める黒宮幹仁プロコーチに話を聞いてみた。

「彼女のことは3〜4年教えていますが、この練習法は教え始めて半年後くらいから続けている練習メニューなんです。彼女の調子のバロメーター代わりで、本人もこの練習をするとニュートラルに戻れるという感覚があるんだと思います。女子ツアーは試合も多くて、コースも毎週毎週変わりますからね」(黒宮)

画像: 左手一本(写真左)、右手一本(写真右)など、工夫して練習している

左手一本(写真左)、右手一本(写真右)など、工夫して練習している

元々の練習意図は体勢に意識を向けること。トップでの体のポジション、重心位置などを確認しながら打つための練習なのだという。高くティアップすることで地面とボールの間に空間が生まれ、それによりボールに上から当てにいくような動きが減ることで、よりスウィング中の体の正しいポジションを確認できるという効果があるようだが、続けるうちに、調子時代を整える、ある種の“基礎練”としての機能が増えていったようだ。

「左手と右手の役割を確認したいので片手打ちをしたり、クロスハンドで打ったりするのですが、自分の直したい箇所、確認したい箇所をしっかり確認しながら練習するために、短いクラブで練習するのがポイントです」と黒宮。

松田鈴英を強くしたといっても良さそうなこの練習。練習場にペットボトルの上にゴムティを乗せた特製ティを持参するのはハードルが高いが、たとえばドライバーの高さにティアップしたボールをアイアンで打つくらいでもそのエッセンスは取り入れられそう。

今、もっとも初優勝が期待される美女プロにあやかって、ハイティ練習試してみてはいかがか。

取材大会/ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント 撮影/矢田部裕

This article is a sponsored article by
''.