ゴルフのギアが進化すると、ゴルファーの“悩み”も少しずつ変わってくると話すのは業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。クラブフィッターとしてアマチュアゴルファーと接する中で気づいたことを話してもらった。

「やさしいクラブ」で右に曲がる幅は減ったが……

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。今日はゴルファーを悩ますミスと道具の進化について考えてみたのでお話したいと思います。私はクラブフィッターもやっておりますのでミスに悩むゴルファーと接する機会が多いのですが、個人的な感覚としてここ10年でゴルファーの悩みがかなり変化してきたなというのを感じます。

たとえば、アベレージゴルファーの悩みの代表格と言えばスライスですが、最近のゴルファーはスライスというよりはプッシュ、つまり曲がって右に飛んでいくのではなく、初めから右に打ち出すミスに悩んでいる方が多くなっています。その他、ボールが上がらない、トップのミスなどが最近多いですね。

画像: 最新ドライバーは間違いなく進化しているが、万人に合うわけではない。色々な特性のクラブを試打してみると、合う・合わないが見えてくるはずだ(撮影/有原裕晶)

最新ドライバーは間違いなく進化しているが、万人に合うわけではない。色々な特性のクラブを試打してみると、合う・合わないが見えてくるはずだ(撮影/有原裕晶)

これにはクラブやボールの進化が関わっています。クラブは、ここ10年でかなりの進化を遂げました。たとえばドライバー。2008年にフェースの反発やヘッドサイズを規制するルールが施行され、飛距離を追求しつつも、安定性を重視した方向に進化しています。

アイアンはミスヒットへの強さを重視し、直進性の高いモデルが現代の主流です。これはアベレージゴルファーにとどまらず、アスリートやプロが使用する前提で作られているモデルにもみられる傾向。

さらにアベレージ向けのアイアンは、飛距離を追求したモデルが急増しており、ドライバーとアイアンは大きく様変わりしました。ボールもミスしてもサイドスピンが入りづらいモデルが増え、確実に進化しています。

そういった直進性の高いモデルは総じて重心距離が長く、昔のクラブと比べて操作性は良くありません。一度フェースを大きく開いてしまうとインパクトまでスクェアに戻しづらくなるのです。昔のクラブでスライスしていたゴルファーが最近のクラブを使うと曲り自体は少なくなっているのですが、インパクトでスクェアに戻しづらくなっているために初めから右に飛び出すミスが増えているのかなと分析しています。

何が言いたいのかと言いますと、いくらやさしいと言われているクラブを使っていても、クラブの特性が仇となってミスが引き起こされてしまう方もたくさんいるということです。

勘違いしないでいただきたいのは、明らかにクラブは進化しています。しかし進化したことによる効果がその方のスウィングにマッチしない場合は、良い結果に繋がらないのです。

とくに最近のクラブは、同じゴルファーをターゲットにしたジャンルのクラブでも重さや、長さ、ロフト角などにかなりの差があります。性能の高いクラブが増えた半面、どれが自分の求める性能を持ったクラブなのかを見極めるのが難しくなっているなというのが率直な私の意見です。

自分が変わらずにクラブでミスを補正できるならそれが一番楽にゴルフを楽しめます。それだけに自分をちゃんと助けてくれるクラブを手に入れたいところ。現代では購入する前に試打することはそれほど難しくありません。是非クラブを買い替える時は、様々な情報を得たうえで、試打をすることをおすすめします。

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