アマチュアにとって夢のスコアである70台で常時プレーするとある匿名シングルプレーヤー。彼は、練習場ではボールを曲げる練習をするべきだと説く。それはなぜ? コースでスコアを出すために必須なイメージ力の高め方を教えてもらおう。

ゴルフは遊び。練習にも遊びの要素を採り入れよう

練習場で練習してもなかなか上手くなれない。ベストスコアが縮まらない。そう考えるゴルファーは多いと思います。私自身、数年前にいいコーチと出会うまでの約15年間は、ひたすら球を打ち、クラブを取っ替え引っ替えして、それでも一向に上達できないゴルファーでした。今、あの頃を振り返ると、えらく遠回りをしたなあと率直に感じます。

禅の法話に、カエルがムカデに「あなたはどうやって足を動かしているの?」と聞いたところ、ムカデは足がもつれて歩けなくなった、というものがあるそうです。たとえるならば、当時の僕は100本足のムカデのようなもの。足が左右に50本ずつもあるのに、その1本1本をどんな順番で、どういう風に動かすかばかりを始終考えて、ああでもないこうでもないとやっている。それではスムーズに前に進めないのは当たり前です。

実際にムカデになったことがないので正確なことはわかりませんが、きっとムカデは自分の足の動かす順番や、動かす方法を考えることはないと思います。ゴルファーも、本来はそうあるべきなのです。特にコースでは、体の動かす順番やそのやり方を考えずにスウィングしたほうが、基本的にはいい結果につながると思います。

画像: 細かい体の動かし方を意識せず、イメージ優先でスウィングしてみよう(写真はイメージ 撮影/三木崇徳)

細かい体の動かし方を意識せず、イメージ優先でスウィングしてみよう(写真はイメージ 撮影/三木崇徳)

実際、コンスタントに70台が出せるようになったのは、イメージ優先でプレーするようになってから。ロングショットであれば、「あそこに向けてバーンと打って、ちょっとフェードしてドドッと転がる感じ」とか、アプローチであれば「この高さでこのスピード感で打って、コロコロ、コロンが理想だな」といったような感じ。「右ひじの位置を意識しながら肩を90度回し、切り返しでは左足かかとに体重を乗せていこう」みたいなことは考えないほうが結果がいい(笑)。

このような、イメージ中心のゴルフを展開する際に役に立つのが、マッスルバックなどのコントロール性の高いアイアンで、フック、スライスを打ち分ける練習です。フック、スライス、そして高いボール、低いボールを打つ練習をしていると、自然とスウィング軌道、そしてクラブの入射角をコントロールする感覚が磨かれてきます。そして、“曲げる”とはどういうことかが理解できるようになってきます。

画像: 玄人好みでコントロール性能が高いマッスルバックだが、アマチュアの練習にももってこいだと言う(撮影/有原裕晶)

玄人好みでコントロール性能が高いマッスルバックだが、アマチュアの練習にももってこいだと言う(撮影/有原裕晶)

そして、単純に右に曲げる、左に曲げるというだけでなく、たとえばドローヒッターなら「逃し気味に打つフック(ほぼストレート)」「つかまえにいくフック(強いフック)」といったように、左に曲がる球筋でもいくつかのバリエーションができてくるんです。そうなれば、コースをイメージ力で攻略する準備は完了と言っていいでしょう。

こういう話をすると、「自分はスライス一辺倒で、意図して曲げるなんて無理」と思われるかもしれません。気持ちはわかりますが、それでもやってみることに価値はあります。もちろん球筋が打ち分けられるようになればベストですし、スライスの幅が小さくなったり、練習用のマッスルバックから、ラウンド用のキャビティバックに持ち替えたときにものすごくやさしく感じたりと、メリットは多くあるんです。

僕らアマチュアにとって、ゴルフは遊びです。練習でも遊びの要素を取り入れて、球を左右に曲げてみる。コースでは、球筋だけをイメージしてプレーしてみる。そんな風に遊んでいるうちに、気がつけばベストスコア更新、なんてことも起きるかもしれませんよ。

This article is a sponsored article by
''.