第44回世界ドラコン選手権で初優勝を挙げたカイル・バークシャー。最長474ヤード飛ばす彼は2年前まで北テキサス大学ゴルフ部で普通の学生ゴルファーとして活動していた。どういった経緯でドラコンプロとなったのか、在米ゴルフジャーナリスト、アンディ和田がレポート。

「(ドラコンなら)ダスティン・ジョンソンにだって負けないよ」

米国オクラホマ州で行われた第44回世界ドラコン選手権で初優勝を遂げたカイル・バークシャーというワイルドな男に注目が集まっています。 決勝トーナメントでは最長426ヤードを含む400ヤード以上のビッグドライブで勝ち進んだという飛距離ももちろん凄いですが、なんといっても一度見たら忘れられないような彼のスタイルが魅力です。

ロングヘアーの風貌や打つ前に左右に身体を揺さぶるシーソーモーションからの始動する独特なスウィングは豪快そのものです。

Kyle Berkshire on Instagram: “Really good off-season session today. Have a lot of stuff to tighten up for next year so I will be grinding all off season. Working to…”

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これまでドラコン王というと90年代後半に4連覇を飾ったジェイソン・ズーバック(米)や10年前に連覇したジェイミー・サドロウスキー(カナダ)など個性的な選手が印象に残っていますが、このカイル・バークシャー、ニックネーム、「バーキー」はとてもユニークです。

身長190センチ、98キロという恵まれた体格のバーキーは22歳。2年前までは北テキサス大学ゴルフ部で普通の学生ゴルファーとして活動していました。

筋トレの成果もあり段々と飛距離が伸びるようになり、ある日追い風のパー5で思いっきり振ったら415ヤードのビッグドライブを放ち、計測機でスピードを調べるとボール初速は時速208マイル(秒速92メートル)を記録したそうです。

その後、2016年世界ドラコン選手権を大学ゴルフ監督と一緒にテレビで観戦しいて、トップの選手達はドラコン用の長いクラブで210-215マイルというボール初速で活躍しているのを知り、監督は「トレーニングをしてこのドラコンの道を進んでみたら成功するのでは?」と勧めてくれてゴルフ部を辞めて、本気でドラコン専門のプロとして活動を始めたそうです。

ジュニア時代からスイングを見て貰っているバーニー・ネージャー氏に加えてボビー・ピーターソン氏というドラコン専門のスウィングコーチと2人の意見を聞きながら体力トレーニングや効率良くスピードを向上させるスイングを練習しレベルアップに成功。

これまで試合で残した記録は下記の通り。参考までにPGAツアーで一番飛ばすキャメロン・チャンプや年間王者に輝いたローリー・マキロイの最大数値を記しておきます。

名前ヘッドスピードボールスピード最大飛距離
カイル・バークシャー67.8101.5474ヤード
キャメロン・チャンプ60.188.4409ヤード
ローリー・マキロイ55.782.8420ヤード

バーキーが使用するクラブスペックは以下のとおり。

ドライバー:KRANK Formula X Signature KB
シャフト: フジクラ Groove 3X、4X またはHouse of Forged3x-4x、長さ48インチ

ロフトは 1.5度から4度までのものをコンディションや状況によって使い分けるそうです

画像: Gary Player on Twitter twitter.com

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「PGAツアー選手が使用するクラブだとフェースが薄すぎてすぐに割れてしまうからまったく使えない」と語るバーキー。 ツアー選手だとダスティン・ジョンソンやキャメロン・チャンプがドラコン仕様のクラブを使って挑戦しても負けないよと豪語しています。

一般ゴルファーに飛距離を伸ばす秘訣は? と尋ねると「まずはしっかりとクラブの芯でボールをとらえること。 いくらスピードがあっても芯でとらえる技術がないと話にならない。 振り方に関しては左手をできるだけ真っすぐ伸ばしたまま、手を高く上げることが大事」と説明していた。

ここ近年アメリカではドラコン人気が上がりゴルフ専門局で生放送するなど露出も上がってきていて、飛距離を争うドラコン職人達がしっかりとプロとして仕事になるように確立されてきているようです。(今回の優勝賞金は約1350万円)もう僕はドラコン専門だから普通のラウンドはほとんどしないと語るバーキー。

アイアンなどダウンブローでターフを取るスイングはドラコンとは違う動きなので多く球を打つと逆に身体に負担がかかってしまうと持論を教えてくれました。

日本でもドラコンのプロが増えていると聞きます。 今回の世界選手権には男子(豊永智大、後藤正幸)、女子(杉山美帆、川口京子)と4選手が参戦していました。決勝ラウンドには進む事はできなかったようですが、世界のトップ選手が集まる場で頑張って欲しいですね。

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