電動キックボードは「フットゴルフ」の起爆剤になる?
電動キックボードは2,3回程度、地面を蹴りながら進みだそうとすると、自動的にエンジンが作動し、簡単なハンドル操作のみで、乗っているだけ目的地へと辿りつくことができる新たな乗り物ツール。
現在の法律では「原動機付自転車」に該当するため、私道に該当するゴルフ場のコース内でも、普通免許を持った人などに利用は限定される見込みだが、20代を中心に‟自転車“感覚で利用できる新たな移動用アイテムとして注目を集めている。
セブンハンドレッドクラブの総務部長・相ケ瀬氏は導入を決めた経緯として「うちのコースにはゴルフとは別に常設のフットゴルフ専用のコースがありますので、この施設でもっと集客を図っていこうというのが、考えにあります」と話す。
フットゴルフはゴルフ同様、18ホールあるカップをターゲットに、クラブではなく自分の足でサッカーボールを蹴り、そのキックの回数をスコアにして競う競技。次のプレー地点に移動する際は「歩き」が基本のスタイルだ。
「一人乗りの電動キックボードでなら、お客様それぞれが次の地点に早く向かうことができます。より手軽に快適にフットゴルフを楽しんでもらうためには、とくに若い人たちには馴染みのあるツールでもある『電動キックボード』を使えばいいのはないかと考えました」(相ケ瀬氏)。
若者が描く「ゴルフ場」へのイメージを変えたい
今月7日には、電動キックボードのシェアリング事業を行っている「LUUP」(ループ)社の協力を得て、敷地内でフットゴルファーを対象とした「試乗体験会」も開催し、体験者の多くから好評価を受けたという。現在はコース内での安全面を入念に精査中だという。
「やはり安全面は最優先です。現時点では『いつから』という告知はしておりませんが、安全面の精査が完了次第、実用化していきたいと思っています」(相ケ瀬氏)。
すでに他のコースでも電動の1人乗り用カートとして「セグウエイ」を導入した事例もあるが、これはあくまでゴルフプレーヤー向けのもの。ゴルフ以外の競技層に対してゴルフ場が、手厚いサービスでもてなすのは、ひと昔前ではなかなか考えられないことでもある。
「もう、これからは来てくれたお客様に『あのゴルフ場にまた行きたいな』と思ってもらうことを一番に考えて、サービスをする時代だと我々は思っています。とくに若い人のなかには、ゴルフ場は敷居の高いものという風に考える方がまだまだ数多くいらっしゃると思われますので」(相ケ瀬氏)
まずは、若い人たちが気軽にゴルフ場へと足を向ける‟動機作り“から。ゴルフ場における新たなビジネスモデル構築と新規顧客の開拓へ、コースも必死で知恵を絞る時代になっているのだ。