PGAツアーデビュー組は苦戦。欧州ツアーデビュー組はのちに大成!?
10代でPGAツアーデビューを果たした選手として名前が挙がる筆頭は、やはりタイ・トライオン。2001年、16歳の若さでデビューし、17歳でツアーカードを取得。タイガーを超える逸材とまで言われたトライオンだが、病気に苦しみ、思うような結果は残せなかった。
タッド・フジカワは全米オープンに15歳5カ月で出場するという離れ業で注目を集めたハワイ出身の日系ゴルファー。2007年1月のソニー・オープン・イン・ハワイでは16歳4日という史上2番目の若さで予選通過を果たすなど将来を嘱望されたが、その後も継続的に活躍することはできず。ちなみにフジカワは最近、同性愛者であることを公表した初めてのゴルファーとして注目を集めた。
15歳245日のギネス認定史上最年少優勝記録、そして、17歳11か月の史上最年少での世界ランキング50位以内入りなどの記録を持つゴルファーといえば、石川遼。2009年には17歳でPGAツアー初出場を果たしている。
2010年には全米オープンの予選ラウンドを2位タイで終えるなど活躍を見せるが、その後は怪我もあって苦しみ、昨年からは主戦場を日本ツアーへ戻しているが、今年に入っての復活劇はご存知の通り。怪我も癒え、トレーニングでパワーアップした肉体とともに海外再挑戦が期待される。
石川と同時期に10代の新星として注目されたのがニュージーランドのダニー・リー。18歳のときにアマチュアとして欧州ツアーで勝ち、翌年プロ転向。リーは今もPGAツアーで戦い続けているが、勝利は2015年に挙げた1勝のみとなっている。
また、「10代でPGAツアーに参戦した」ということでいえば、当時これまた「タイガー以上の才能」と呼ばれた女子のミッシェル・ウィは2004年になんと14歳でソニー・オープン・イン・ハワイに出場。予選通過ラインに1打足らずに予選落ちを喫したものの、大きな話題となった。
と、ここまで見てくると、今も戦い続けるリー、日本で復活を遂げた石川の例もある一方、10代でデビューしたといって、のちにメジャー王者や、世界ランク1位クラスになれることが約束されているわけではないことがわかる。
一方、欧州ツアーに目をやれば、18歳でプロデビューしたロリー・マキロイ、17歳でプロ転向したジャスティン・ローズ、古めのところでは16歳でプロになったセベ・バレステロスなど、10代でプロ転向してのちに世界ランク1位になったりメジャーを獲っている選手が複数いる。
PGAツアーのあまりにも高すぎるレベルは、10代選手がコンスタントに結果を残し続けるにはハードなのかもしれない。