南アフリカ出身、38歳のリーアン・ペースは奇跡を起こすか
南アフリカ出身、38歳のリーアン・ペースはシーズンはじめ真剣に引退を考えていた。若手が台頭しアラフォーの彼女に居場所はなくなった。体のあちこちが痛み満身創痍の戦いが続き、ここ数年はシードぎりぎり。今季の獲得賞金は5万ドルに満たず(約500万円)、そろそろ次のキャリアを考えなければならないと思いはじめていた。
しかしあるできごとが彼女に引退を踏みとどまらせた。それは年間を通して各試合の指定されたホールの平均スコアを競う「Aonリスクリワードチャレンジ」。
じつはペース、成績自体は振るわず賞金ランク133位に低迷しているがチャレンジのランキングは目下-0.792でトップ。2位には-0.786のアリヤ・ジュタヌガーンがつけ3位にキャロッタ・シガンダ(-0.775)と僅差ではあるが賞レースの先頭を走っているのだ。
資格要項には最低消化ホール数があり、ペースは少なくともあと1試合出場しないと条件を満たさない。10月中旬からのアジアシリーズは出場枠が限られペースは出られないため、今週末行われるボランティアズオブアメリカクラシックがラストチャレンジ。指定されたホールのスコアいかんでボーナスの有無が決まる。
彼女の会計士によるともし今季5万ドルしか稼げなかった場合、今季の収支は収入より経費や税金などの支出が上回り「5万ドルの赤字になる見込み」。現状は厳しい。だからこそ100万ドルのボーナスが彼女を奮い立たせるモチベーションになっている。
「数カ月前にはクラブを置こうと思っていました。いまでも腰が痛くて満足にスウィングすることができないけれどチャンスがある限り最後まで頑張るわ」(ペース)。
ケプカと同じ100万ドルのボーナスが手に入ったら果たして彼女は引退を選ぶのか? ひょっとしたら現役続行を選択するのかもしれない。それだけプロの世界でスポットライトを浴びることは選手たちにとって快感なのだから。