「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で初優勝を挙げた柏原明日架。プロゴルファー・中村修がそのスウィングを解説!

スクェアグリップながらシャットに上げてボールを押し込む

ジュニア時代から活躍しプロテストも順調にクリア。2015年にシード権を獲得すると16年にはトップ10が6回と、いつ優勝してもおかしくない活躍を見せた柏原明日架選手でしたが、なかなか勝てないまま時間が過ぎ、その間には3学年下の黄金世代が台頭。苦しい日々を過ごしたことは想像に難くありません。

ですが、今回のプレーぶりはその持てるポテンシャルを遺憾なく発揮したもの。ショット力とパッティング、そしてなんといっても最終日の15番ホール、グリーン左が池のパー3で果敢にピンを狙ったショットからは『逃げずに勝つんだ』という強い意志を感じました。

画像: プロ入り6年目にして、ついに初優勝を遂げた柏原明日架(撮影/大澤進二)

プロ入り6年目にして、ついに初優勝を遂げた柏原明日架(撮影/大澤進二)

では、171センチの長身を活かしたビューティフルスウィングを見てみましょう。

まずは画像Aをご覧ください。グリップはごくオーソドックスなスクェアグリップ。シャットに(フェースを開かずに)上げつつクラブを縦に(手の位置が高くなるように)使っています。

画像: 画像A:クラブを体の正面にキープしながらシャットに上げていく(写真は2019年の中京テレビブリヂストンレディス 撮影/中野義昌)

画像A:クラブを体の正面にキープしながらシャットに上げていく(写真は2019年の中京テレビブリヂストンレディス 撮影/中野義昌)

テークバックではクラブが体の正面にキープされている点に注目です。長身で手足の長いタイプは体と腕の動きがバラバラになりやすく、スウィングを安定させるのが難しいのですが、柏原選手の場合は両ひじが正面を向くようにして両わきを締め、外でもなく、内でもなく、体の正面からクラブを外さないように丁寧に上げています。

テークバックの動きとしてはアップライトなスウィングプレーンの独特な動きですが、腕と体の運動が見事に調和されているのは間違いありません。

画像: 画像B:トップでフェースの向きは空を向くシャットフェースでボールを押しこむように使いインパクトゾーンでのフェースの開閉は少ない(写真は2019年の中京テレビブリヂストンレディス 撮影/中野義昌)

画像B:トップでフェースの向きは空を向くシャットフェースでボールを押しこむように使いインパクトゾーンでのフェースの開閉は少ない(写真は2019年の中京テレビブリヂストンレディス 撮影/中野義昌)

トップ(画像B左)でもフェースの向きはシャットのままで、インパクト後のフェースの向きを見てもフェースローテーションは少なめ。フェースの開閉を抑え、インパクトゾーンでしっかりとボールを押し込むように打てています。

シーズンを通してのパーオン率は81位(9月30日現在)ですが今大会のパーオン率は7位、もともと1ラウンド当たりの平均パットは1位でしたので、今大会ではショットとパットがかみ合ったことで一気に初優勝を手にしました。

長身を生かした飛距離とアイアンの切れ味、それを試合中に発揮できるメンタルを手にしたことで、本来の強さを見せてくれることでしょう。この初優勝をきっかけに勝ち始めるような気がしてなりません。残りシーズンの柏原明日架選手に注目です。

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