8番ではバンカーからチップインバーディ!
通常の試合であれば最終日のような大ギャラリーに見守られ、畑岡奈紗、ユ・ソヨンの歴代優勝者とともにスタートした渋野日向子選手。
結果を先にいえば、1番で幸先よくバーディ。4番もとりますが、6番パー5でまさかのダブルボギー。ところが続く7番でバーディと得意の“バウンスバック”を決め、8番でも劇的なバーディ。9番をボギーとしたものの、1アンダーでハーフターンしていきました。
渋野選手らしい(?)ド派手な初日のフロントナイン。早速、振り返っていきましょう。
1番、4番といいティショット、いいセカンドとつないでのバーディを沈め、スタートダッシュを決めた渋野選手がトラブルに見舞われたのは6番パー5。完璧なティショットを放ち、グリーン奥に切られたピンまで残りは230ヤード。
畑岡奈紗選手、ユ・ソヨン選手が先に打って乗せたのを見て打った一打は左に飛び出し、ペナルティゾーンに入ります。元の地点から打つことを選択した4打目はアドレナリンが出たのかオーバーしてグリーン奥へ。そこからふわっと浮かせるアプローチを選択しますが乗せられず、結局ダボ。
そこからの7番、8番の連続バーディが初日のフロントナインのハイライトです。ダボのあと、どんなティショットを打つのか注目して見ていましたが、前のホールでダボを打ったとは思えないほどの素晴らしい球。セカンドショットをベタピンにつけ、イージーバーディでものの見事に得意の“バウンスバック(ボギーより悪いスコアの次のホールをバーディよりいいスコアでホールアウトすること)”を決めました。
さらに圧巻は8番パー3。畑岡奈紗選手が左サイドのピンを果敢に攻めてピタリとつけ、ユ・ソヨン選手もワンオンに成功。続く渋野選手は、またも左に曲げてグリーン左のバンカーにつかまってしまいます。
不思議なもので、ピンチの状況にもかかわらず「これ、入れちゃうんじゃないか?」という予感がしていました。そして打ったボールはスルスルと転がって、見事カップイン。ギャラリーは優勝が決まったかのような大喜びです。
ピンチをチャンスに変える。決めてほしいところで決める。「ギャラリーを喜ばせるプレー」とはまさにこのことでしょう。ダボをたったの2ホールで取り返し、9番ホールへと向かう道では、大ギャラリーからの「ナイスバーディ!」の声が途切れることはありませんでした。
その9番ホールは、ティショットが飛びすぎて、木の後ろについてしまってのボギー。ショットのミスというより、マネジメントのミスという印象でした。ともかく、前半を終えて4バーディ、1ボギー、1ダブルボギー。パーの数よりバーディの数のほうが多い、派手なゴルフです。
トップは14時18分現在でペ・ソンウ、キム・ハヌル両選手の7アンダー。渋野選手も当然それは頭に入っているはずで、「伸ばし合いの展開に遅れるわけにはいかない」という空気が、渋野選手たちの組を覆っています。
まだはじまったばかりの日本女子オープンは、初日から大盛り上がりを見せています。また、渋野選手がホールアウト後にレポートをしたいと思いますので、お楽しみに!