ケプカはケプカでも「チェイス・ケプカ」
ケンジロウです。ラスベガスのTPCサマーリンよりお届けしております。「シュライナーズホスピタルズforチルドレンオープン」初日が終わりました。
日本人選手は松山英樹が3アンダーパー、小平智が2オーバーで初日を終えました。
さて、今日の話題は、ケプカ選手です。と言っても、世界ランキング1位のブルックス・ケプカ(29歳)ではございません。弟のチェイス・ケプカ(25歳)です。
そうなんです、ブルックス・ケプカの弟もプロゴルファーで、昨年は欧州ツアーで戦うなど、欧州ツアーからPGAツアーの頂点に這い上がってきた兄と同じような道のりを歩んでいます。2019年にチューリッヒクラシックで兄と一緒にタッグを組んでPGAの試合に出たこともあります。
その風貌とか体格とかスウィングが気になったので、彼の練習を見に行きましたが……、あれ、体格が全然違う。身長が兄よりちょっと低くて、横幅もブルックスに比べたら細め。
顔は似ているけどねぇ……。あら、スウィングも全然違いますね。切り返しからすぐに顔が目標を向くような感じでルックアップして打っています。兄が“ひじ引け”なら、弟は“顔向け”。何か「スウィングに特徴を持った兄弟」と言えるかもしれませんね。
ブルックス・ケプカは試合前の会見で弟のチェイスに言及していました。
「火曜日の練習ラウンドで弟と一緒に回ったんだ。18ホール回るつもりなかったんだけど、一緒に回ってアドバイスが欲しかったみたいで、いくつか教えてあげたよ。彼にとって少しは参考になったんじゃないかな。僕の経験や知識が少しでも役立つといいけどね」と、意外と弟思いの兄ブルックスでした。
その練習ラウンドが生きたのかチェイスは初日なんと5アンダーの8位タイと大健闘。兄が1アンダーで84位タイですからね、教えすぎちゃったかな?
ホールアウト後、興奮気味で上がってきた弟のチェイスに話を聞きました。
「今年はチャレンジツアー(欧州の下部ツアー)でも成績が出せていなかったからね。ちょっとホームシックにもかかっていたし、今日の成績をしっかりとコースで出せたのはすごく嬉しいよ。ヨーロッパで戦っている2、3年はつらかったからね、今週は家族と一緒に過ごせるのは大きいよね。練習ラウンドではブルックスからアドバイスをもらって、午前と午後の遅い時間で気温がガラッと変わるというのも教えてもらっていたんだ。球の距離感が変わってくるからね。明日は午前スタートだから、朝うまく調整しないとね」
欧州ツアーのQスクール(QT)に失敗し、来週はコーン・フェリーツアー(PGA下部ツアー)のQスクールが待っているようで、まさにこの試合に“ワンチャン”をかけているチェイス・ケプカ。
いつの日か兄弟でツアーを席巻する日は来るのか? 見ものですね~。
撮影/姉崎正