渋野日向子の活躍を一目見ようと、女子ツアーではギャラリーが大幅に増えている。だが、それに伴い残念ながらプレー中の「音」の問題も発生。改めて、観戦マナーについて考えたい。

入り口で注意喚起をしているが……

初日を終えた畑岡奈紗が「携帯の音が毎ホール聞こえた」と記者発表で語った。今年の日本女子オープンは初日から(もっといえば、練習日から)異例のギャラリーが押し寄せていることで、一部では携帯の着信音をオフにしないギャラリーも散見されるようだ。

画像: 初日に7640人の過去最高記録を更新した今年の日本女子オープン。まさに“しぶこフィーバー”だ

初日に7640人の過去最高記録を更新した今年の日本女子オープン。まさに“しぶこフィーバー”だ

初日のギャラリー数は7640人で日本女子オープンの初日史上最多。宮里藍の“藍ちゃんフィーバー”真っ只中に、アクセスのいい神奈川の戸塚CCで行われた2005年の日本女子オープンでも、初日は6133名だったというから“しぶこフィーバー”の凄さがよくわかる。

AIG全英女子オープンを制したことで、渋野日向子はゴルフ界のスターどころか、国民的アスリートともいうべき人気と知名度を獲得。“しぶこ”見たさに普段はゴルフを観戦しないギャラリーも多数訪れているのかもしれない。大会関係者は言う。

画像: 渋野の2日目のスタート時間は朝7時21分。その時間からこれだけ多くのギャラリーが押し寄せている日本女子オープン

渋野の2日目のスタート時間は朝7時21分。その時間からこれだけ多くのギャラリーが押し寄せている日本女子オープン

「入場ゲートやスタートホールで携帯電話はマナーモード、撮影は禁止と注意喚起してはいるものの、なかなか行き届かない。撮影禁止を知らない人もいるようでしたが、禁止を知っていても抑えられずに撮影してしまう人もいます。着信音に関しては、中にはマナーモードのやり方がわからずにいた入場者にやり方を3人くらい教えました」

と、対策を講じようにもイタチごっこという状況のようだ。2日目の今日も、渋野日向子がINスタートで18番プレー中、バーディパットの最中に携帯音が鳴り、さらには通話する声が聞こえるということがあった。

携帯オフはゴルファーにとっては常識でも、ゴルフをしない、普段ゴルフを観ないギャラリーに周知し切るのは難しいのかもしれない。そして中には、残念ながらダメと知って写真を撮る人もいる。映画館でどれだけ周知をしても、上映中に携帯の着信音が響くことがあるのと同じことかもしれない。

画像: 渋野、畑岡と同組のユ・ソヨンはギャラリーに動じることなくプレー。2日間を終えて10アンダーと見事なスコアで決勝ラウンドへ駒を進めた

渋野、畑岡と同組のユ・ソヨンはギャラリーに動じることなくプレー。2日間を終えて10アンダーと見事なスコアで決勝ラウンドへ駒を進めた

現地で取材するプロゴルファー・中村修は言う。

「印象的だったのは、ユ・ソヨン選手です。多くのギャラリーが渋野、畑岡両選手目当てのため、二人のプレーが終わると、ユ選手のプレーを待たずに移動してしまったりする。それでも動じることなく、自分のプレーをする姿はさすが元世界1位です。ただ、それは音を立ててもいいということではもちろんありません。日本女子オープンは国内最高峰の舞台。選手の最高のプレーを引き出すためにも、選手のプレー中は音を立てないように気を配ってもらえたらと思います」

このように書くと、もしかしたらゴルフのトーナメント観戦は、気を使うことの多い堅苦しいものに感じてしまうかもしれないが、そんなことはない。選手が打つそぶりを見せたら歩みを止め、会話をやめる。携帯は音の出ない設定にしておく。写真は許可された場合以外はNG。これだけ守ればほぼOKで、あとはプロの豪快なプレーを心ゆくまで楽しめばいいのだ。

秋のゴルフシーズン真っ盛り。マナーを守って、楽しくゴルフ観戦をしたいものである。

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