「来年は日本のシニアツアーに出るよ」
連日の好天、空気はカラカラで喉もガラガラ。砂漠気候のラスベガス近郊のTPCサマーリンで開催されたシュライナーズホスピタルズforチルドレンオープンは、プレーオフの末にケビン・ナが優勝しました。その大会3日目に、松山英樹と同組になったジョー・オダ。彼のキャディが見覚えのある人物です。
サングラス姿の彼に、もしやと話しかけると、先方も覚えてくれていた様子で、「グッド スィーユー アゲイン!」ディーン・ウイルソンでした。
90年代後半から2000年代前半にかけて、日本のツアーで活躍したハワイ出身、日系の選手です。日本ツアーで6勝を挙げ、その後米ツアーに進出した所までは記憶にあり、最近はゴルフをやめたとの話も出てたような。
土曜日9時55分スタートの松山とオダ。他の選手の撮影のためにフロントナインは二人を撮らず、バックナインから撮り出します。前半、松山は4バーディ2ボギー。オダは1バーディ3ボギー。松山は出入りのあるスコアながら2アンダーで、オダは2オーバー。
松山は10番でバーディを取るも11番ボギー、12番でまたバーディと、インコースもアウト同様出入りのあるスコアで4バーディ2ボギー。時折、キャディの早藤将太に背中を抑えてもらったり、帽子のつばをつかんでもらったり、スウィングチェック&修正しながらのラウンド。3日目終えて、トータル10アンダー。
一方のオダは10番をボギーとし、その後パーを重ねて15番でバーディを奪うもその後ボギー先行、
インを1バーディ3ボギー。キャディのディーンと笑顔で会話しながらの3日目を終えて、4アンダー。二人の仲はとても良さそうです。
ホールアウト後、選手がアテストしている間に暫しの旧交を温めました。
「元気そうですね、今はどちらでおすごしですか?」
「ハワイを離れて、サンディエゴにいるよ」
昔と変わらぬ体型風貌に、まだまだ現役プレーヤーな印象を受けました。
「ご自身の試合予定はどうですか、シニア入りは?」
彼は笑顔を絶やさぬまま。
「今49歳で、12月に50歳になるんだ。来年は日本のシニアツアーに出るよ」
と、来年からの日本シニアツアー参戦の思いを語ってくれました。
「えっ! ではデビュー戦はどこを予定してますか?」
旧交温めついでに、来年の予定まで聞いてみました。
「ああ、スケジュールは今は分からないなぁ」
そして。
「僕は日本で6勝してるからね」
少し誇らしげに語るディーン。
「日本のシニアツアーに出場することで、すごくエキサイティングな気分になってるよ」
ハワイの後輩プロ、オダのキャディバッグを担いで試合勘を取り戻そうとしているのでしょうか。2020年、日本シニアツアーにあの強いディーン・ウイルソンが帰ってきます。