前作までを踏襲し正統進化した「ゼクシオ11」
「11」と「X(エックス)」の2モデル展開が話題の11代目ゼクシオ。ドライバーと同様にアイアンも2モデルがラインナップされている。
今回は発表直後ということもあり、事前情報一切なしの状態で、プロゴルファー・ノリーこと堀口宜篤に11代目ゼクシオアイアン2モデルの7番アイアンを試打してもらった。
ゼクシオ11は「MP1100」(37.25インチ、フレックスR)、ゼクシオXは「Miyazaki AX-1」(37インチ、フレックスS)シャフトを装着のもの。ちなみに、ゼクシオ11のロフトは28度で、ゼクシオXは29度。前モデルであるゼクシオ テンの7番は29度だったから、ゼクシオ11は1度ストロング化したことになる。
この2モデルを、ノリーにはドライバー換算でヘッドスピード40m/sと45m/s、ふたつのヘッドスピード帯で打ってもらった。
まずはゼクシオ11から見ていこう。さっそく構え、見た目に言及するノリー。
「構えた感じは、いままでのゼクシオを使っている人からすると、違和感なく移行できるんじゃないかなと思いますね」(ノリー)
というわけで、見た目的には大きな変化がないことを確認し、まずはヘッドスピードを抑えめで打つ。キャリー164ヤード、トータル174ヤード。打ち出し角は16.9度。ヘッドスピード34m/sに対し、ボール初速は50.4m/sとしっかり出ている。スピン量は4915rpmだった。
「飛びますね。前のゼクシオテンの弾き感のある打感というよりは、ちょっと吸い付いてくる感じがあります。しかもめっちゃ飛ぶ。ヘッドスピードはそんな出てないんだけどなあ」
続く2球目はダフり気味のショットとなったが、キャリーで153ヤード、トータルで164ヤードと申し分ない飛距離を叩き出す。
「今ちょっとダフったんだけど(キャリーで)150ヤードくらいでちゃうんですね。飛ぶし打感も良いね。前作よりも打感とか抜け感は明らかに良くなってると思います」
3球目は「もっと落としても飛ぶんじゃないかな」とさらにヘッドスピードを落として振ったノリー。ヘッドスピードは32.8m/sだったがボール初速は47.3m/sで、トータル165ヤード飛ばす(計測平均値は画像A参照)。
「もっとヘッドスピード落としちゃったけど、それでも飛んでいきますね。150ヤードくらいはキャリーで出ていく。多分これスウィートスポットが広いんでしょうね。だから球が芯からズレたとしてもちゃんと飛んでいってくれます」
続いてヘッドスピードを上げ、叩きに行くノリー。キャリー168ヤード、トータル177ヤード。打ち出し角17度と高弾道で、スピン量も5353rpmとしっかり止まってくれそうな数値だ。
「ヘッドスピードを上げていったほうが弾き感は出てきます。どっちかというと今までのゼクシオらしい打感がある。つかまってきますね」
続けて数球打つノリー。数値を計測した3球の中で一番飛んだ場合で184ヤード(計測平均値は画像B参照)。飛距離もバツグンだが、肝心のアイアンに求められる性能がとても良いと言う。
「球の上がりもいいし、スピン量もそれなりにありますね。何よりミート率がすごく良い。抜けも結構いいんです、思ったよりも。構えたときにヘッドの大きさを感じるから安心感もありますね」
というわけで、一定以上の高評価という結果となった。
振っていくゴルファーに向けた「ゼクシオX」
続いてはゼクシオXアイアンを見ていこう。軟鉄鍛造に加えバックフェース部に打球音を追求するため別素材を用いた2ピース構造アイアン。ロフト角は7番で29度とゼクシオ11よりも1度寝ている。
「従来で言うところのゼクシオフォージドみたいな見た目かな。ヘッドが締まった感じに見える。11に比べるとシャープですね。結構叩きに行きたくなるような感じがします」
まずはヘッドスピード抑えめで打つ(計測平均値は画像C参照)。
「打感が気持ちいいですね。球も上がります。11と比べると素材が違うだけあって、より吸い付いている感じの打感です。ただ、このヘッドスピードだと僕は11の打感のほうが好きです」
続いてヘッドスピードを上げて、叩きに行く。
「このヘッドスピードで打つと面白いことに、打感はこっちの方がよく感じますね(笑)。ヘッドスピードによって打感が変わります。吸い付いている感じが更に強まってます。球もめちゃくちゃ上がりますね」
合計3球分計測を行った結果が画像Dだ。Xに関しては「振っていく人が好みそうな仕上がりになってますね」とノリー。
「コントロール性でいったらXのほうがいいと思います。振っていける人は見た目の部分でもスッキリしてるのでよりXを好みそうですね」
2モデルそれぞれの試打を終えたノリー。今回の11代目ゼクシオアイアンに関してはどちらのモデルを選ぶ基準は至ってシンプルだという。
「ヘッドスピードが速めの人はX、遅めなら今まで通りのゼクシオの良さを活かしてくれる11ですね。11のはヘッドスピードが40くらいで打ったときに打感が柔らかく感じられ、上げていくと硬く感じてしまう。反対にXはヘッドスピードが上がったほうが打感が柔らかくなって、球がしっかり上がっていく感じがしました。ヘッドスピードの速さで棲み分けがしっかりできているので選びやすいですね」
従来シリーズのフィーリングが合う人に向けたゼクシオ11。さらに、振っていけるゴルファーに向けたゼクシオXが加わって幅が広がった感のある11代目ゼクシオ。ドライバーもそうだが、シンプルにヘッドスピードでモデルを選んで良さそうなのはわかりやすさと言えそうだ。
協力/PGST