台風19号が接近し、ときに大雨の中でのプレーを余儀なくされた女子ツアー「スタンレーレディスゴルフトーナメント」の初日。注目の渋野日向子のプレーを、プロゴルファー中村修が密着レポート!

途中40分の中断にもめげず、1アンダー25位タイでホールアウト

今日の渋野選手は、アウトコース第10組、8時30分のスタートでした。同組は、先週の日本女子オープンで2位タイと健闘した大里桃子選手と、最近復調気味のイ・ボミ選手。話題の選手とペアリングされるのは人気者の常ですが、そんななかでも渋野選手への声援がひと際多かったのが印象的です。

スタートの1番ホール、2打目を右に外した渋野選手は、チップインを狙ったアプローチがカップをオーバーし、2パットのボギースタート。続く2番もパーで収めたものの、2ホール連続でパーオンできない出だしにちょっと不安が募ります。3番パー5では、2オンを逃して3打目がグリーンエッジからのアプローチになりましたが、これもオーバーしてバーディならず。

しかし4番のパー3ではピンまで1メートルの位置につけてバーディを奪い、続く5番でも2打目をピンの3メートル手前につけて連続バーディ。このへんの爆発力はさすがのひと言。

画像: 2番ホール、渋野はこのアプローチを寄せ、パーセーブ

2番ホール、渋野はこのアプローチを寄せ、パーセーブ

今日は気象情報でも午後からの雨が予想されていましたが、予報よりも早く雨が降り出し、6番ホールですでに雨がパラつき始めました。折り返しての10番ホールでは雨脚が強くなり、ちょっといやなコンディションになってきました。

4、5番の連続バーディの後無難にパーを重ねていた渋野プロのスコアが動いたのは、12番のパー4でした。このあたりから雨が土砂降りに変わりコース内に水が浮き始めてきたのですが、大里選手がカジュアルウォーターの判断を仰ぐために競技委員を呼ぶなどして15分ほどのプレー中断があったあと、アプローチを寄せ切れずにボギーを打ってしまいました。

画像: 左から渋野日向子、大里桃子、イ・ボミのペアリング。雨がどしゃ降りになり、15分ほどプレーが中断された(撮影/大澤進二)

左から渋野日向子、大里桃子、イ・ボミのペアリング。雨がどしゃ降りになり、15分ほどプレーが中断された(撮影/大澤進二)

しかし次の13番、ティショットを右のフェアウェイバンカーに入れるピンチからベタピンにつけてバーディ。12番のボギーをすぐに取り返します。

ホールアウト後に渋野プロにこのショットについて聞くと「あれ、トップだったんです」と笑っていましたが、ダフらないようにハーフトップでOKという保険をかけつつ、しっかり距離感も方向性も確保するショット力はさすがです。

17番ホールで40分の中断を挟んでの18番。長い打ち上げのパー5は、ティショットを左に曲げ、左ラフからの2打目もまた左のラフ。3打目もUTで打ちましたがグリーンを捉えられず、最後の最後にピンチを迎えます。しかしピンまで33Yの花道からのアプローチをOKに寄せ、なんとかパーでしのぎました。

午前中、距離感が合わずに苦労していたアプローチでしたが、ラウンド中にしっかり修正できたという意味でも、最後に気持ちよくホールアウトできたという意味でも、非常に大きなパーセーブだったと思います。

今日の渋野プロは、先週と比べるとドライバーがフェアウェイに行かず、少々苦労しているように見えました。しかしラフからのショットが非常にうまく、ラフからでもキッチリとグリーンを捉えていたのが印象的でした。

画像: ティショットがフェアウェイにいかず苦しい初日となったが、1アンダー25位タイでフィニッシュ(撮影/大澤進二)

ティショットがフェアウェイにいかず苦しい初日となったが、1アンダー25位タイでフィニッシュ(撮影/大澤進二)

とくに9番ホールの右ラフからのショットは、バーディはなりませんでしたがかなりのナイスショットで、本人も「あれはうまく打てました」と自画自賛。

インパクトを強く作らずサラッと振り抜けるのが、ラフから距離感が合う秘訣のように見えます。

結局スコアは1アンダーの25位タイ。特別よくも悪くもないプレーでしたが、ラウンド後半は大雨に見舞われ、中断もあり、さらには強風が吹いたりやんだりする難しいコンディションのなかでしっかりアンダーパーで回れたのは、経験も少ない中で評価に値するラウンドだったと思います。

トップは黄アルム選手の7アンダー。明日の中止が発表され、最終日もどうなるか最終決定は下されていません。台風の影響を考慮してギャラリーの入場はできなくなってしまいましたが、全英オープン最終日のバックナインばりの爆発を期待したいですね。

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