3番ウッドと18度のUTでティショットをまかなう
今週、福岡県の古賀ゴルフクラブで日本オープンゴルフ選手権が開催されるが、コースはしっかり日本オープン仕様に仕上げられている。たった6817ヤードのコースなのに予選カットは10オーバーくらいではないかという声も聞こえるほど。
そんな難コース対策としてドライバーをバッグに入れない奇策を取り入れたのが比嘉一貴だ。
「練習ラウンドとプロアマでコースを回ってみて、ドライバーは必要ないんじゃないかと感じました。グリーンは硬くて、上から攻める必要があるので、ラフからだとほぼノーチャンスなんです」。
とは言え、ドライバーをバッグに入れて使わない方法もあるのでは?と聞くと、使わないなら抜いて他のクラブを入れるのが効果的だと言う。
比嘉が今回多用しそうだと予想しているのが3番ウッドと18度のアイアン型のユーティリティだ。
「練習ラウンドでもドライバーを使ってラフに入っている選手と比べて、自分がこれ(ユーティリティ)を使ってほぼ距離が変わらなかったケースもあったんです。それにもしドライバーを使ってフェアウェイをキープできたとしても、それが決して良い結果につながるコースではないんです」。
コースの全長は昨今のツアーの中では短いと言える。そのことを活かす比嘉の作戦は残り150ヤードからのショットで勝負すること。飛ばして短いアイアンで打てれば通常はそれだけピンにつく確率を上げられるはずだが、今回の古賀では、それも確約されない難しさが秘められている。
もちろん天候にも左右されるだろうが、日本オープンでは伸ばし合いではなく我慢比べになるのが常。今回の古賀でも間違いなく我慢比べになる。そう踏んだ比嘉の作戦が吉と出るのか凶と出るのか、注目したいところだ。
ちなみに「奇策」と前述したが、実は比嘉はこの作戦を取り入れるのは初めではない。コースや自分の状況によって柔軟に物事を考えられるのは、比嘉のゴルフ力の高さ。実際、この作戦がハマったのか、優勝スコアがイーブンパー前後になるという予想のなか、比嘉は初日1アンダーの好スコアでスタートダッシュに成功している。
今季2勝目はメジャーになるかもしれない!
撮影/姉崎正