11勝のうちアジアで4勝。今週の「ZOZO」も活躍必至!?
先週からアジアンスイングに突入したPGAツアー。アジア大会の初戦となる韓国で行われた「CJカップ@ナインブリッジズ」は、ジャスティン・トーマスが優勝し、ツアー通算11勝目を挙げた。CJカップは自身2勝目。今大会の優勝で、アジアで4度優勝したことになる。
「なぜアジアで調子がいいのか、よくわからないね。もちろんゴルフ場は好きだし、相性がいいんだろうけど、なぜかな? 焼肉がおいしいからかな!?(笑)ただ、ここ数週間、すごく一生懸命練習してきてこの試合に照準を合わせてきたし、優勝をお見せすることができて嬉しいよ」
過去彼はマレーシアで2回、韓国で2回優勝しているが、特にナインブリッジズはスポットを狙って的確に打っていくようなゴルフができないと、スコアにならないのだとトーマスは言う。済州島は風が強く、ショットのコントロール力が求められるが、トーマスはやはり同じく風の強いハワイで2連勝を挙げているだけに、この手のタイプのコースに強いのかもしれない。
最終日はダニー・リーとのシーソーゲームとなり、「タフな1日だった」と語ったトーマス。リーは次々にパットを決め、寄せワンでしのいでトーマスにプレッシャーをかけ続けたが、彼自身も非常に手堅いゴルフを展開し、終盤で2連続ボギーを叩いたリーを2打差でかわして優勝を遂げた。
「17番のボギー以外は、今日優勝するためのすべて、必要なことができたと思う。すごくよかったよ」
すでに全米プロでメジャー優勝も達成し、PGAツアー通算11勝も挙げているが、年齢はまだ26歳。27歳を迎える前の優勝回数の記録を見ると、1位はタイガー・ウッズの34勝、2位はジャック・ニクラスの20勝、そして3位タイにローリー・マキロイ、ジョーダン・スピースと並び11勝を挙げたジャスティン・トーマスが仲間入りを果たしている。彼は5年連続で優勝しているが、彼の強さの秘密はいったい何なのだろうか?
「いろんな経験を積むことで、何か間違ったことはしなかったか、番手を間違えなかったか、間違った考え方をしなかったか、などをじっくり反省し、学ぶことが大事だと思う。そうするうちに毎年、改善されてきて自分が何をすべきかを理解し始めたところなんだ。試合前にどんな準備をすればいいのか、わかるようになったよ」
ジュニア時代から積み重ねた数多くの経験や失敗。必ずそこから何かを学ぼうという姿勢が、彼の安定した強さを培った。祖父も、父もティーチングプロというゴルフ家系に生まれ育った彼は、日頃からプロゴルファーとしての心構えや取るべき姿勢を教え込まれてきたに違いないが、彼はタイガーやミケルソンらツアーの大先輩からも何かを掴み取ろうと、練習ラウンドで一緒にプレーしたり、夕食をともにするなどして同じ時間を共有することも多い。
「彼らと一緒に話をしたり、練習をすることで、彼らの習慣や考え方がわかってくる。そういうものを僕は学んで、自分なりに取り入れようとしているんだ」
ジョーダン・スピースやリッキー・ファウラーら他の若手よりも積極的にタイガーたちと親しくしている姿を目にすることが多いが、先輩を敬い、懐に飛び込んでいく向上心の強い性格、愛される性格が、ゴルフの上達にもつながっているように思える。
優勝したら必ず父に優勝ボールをプレゼントするのが習慣、と言うトーマスだが、先週は彼の父がちょうど60歳の誕生日を迎えたばかりで、「ちょっとした誕生日プレゼントになってよかった」と語った。
次週はいよいよ日本初開催のZOZOチャンピオンシップ。アジアに強い男がアコーディア・習志野GCを制し、世界の強豪を抑え、アジアで今季2個目のボールを父にプレゼントできるだろうか?