「不思議な感じ。いつもと同じ米国の選手なのに歓声が日本語」(小平)
タイガー・ウッズが6アンダーの首位タイ発進した「ZOZOチャンピオンシップ」。日本人選手も松山英樹の5アンダー3位を筆頭に、星野陸也が2アンダーの7位タイ、小平智が1アンダー14位タイと世界最高のプレーヤーが集う舞台で、好位置につけた。
つめかけた観衆は1万8536人。その大半は日本人のゴルフファン。松山はギャラリーから飛んだ「英樹~!」の声に「名前を呼んでくれるだけで、すごく嬉しかった。米国ではこんなに名前を呼ばれることはないので」と大声援が力になったという。
同じくPGAツアーと国内ツアーの両方を知る小平智も「何か不思議な感じでしたね。回っている選手はタイガーとかいつもと同じ外国人の選手なのに、聞こえてくる歓声が日本語だったので」とPGAツアーで活躍する日本人選手たちにとっても、日本開催は特別に感じられた模様だ。
「ティグラウンドからの景気が違った。フェアウェイが狭く見えた」(大槻)
一方で、普段は国内ツアーを中心にしている選手たちはどう感じたのか?
国内ツアーと何より違うのが初日からこれだけの大観衆。この日イーブンパー、25位タイの大槻智春は言う。
「やっぱりいつもと違う感覚は多少なりともありましたね。とくにティグラウンドからの景色が違いましたね。両サイドにびっしりと人がいて、ティショットから見えるフェアウェイが狭く感じました(笑)」
星野陸也は、昨年出場した全米オープンを思い出したという。
「ギャラリーの方々はいつもと同じ日本のファンの方々なんですけど。バーディとか取ると『イェ~!』みたいな声で、今日は何かノリが良かったです(笑)」と、ファンに‟乗せられる”側面もあったという。
たしかに、「ゲット・イン・ザ・ホール!」「ユー・アー・ザ・マン!」と普段の日本ツアーでは聞かれないような歓声もコースのそこここで聞かれた。
「日本にもこんなにゴルフファンがいたんだ、と」(香妻)
大勢のギャラリーからの視線を浴びたことで、よりプレーすることの喜びを感じたと振り返ったのが大会アンバサダーを務める香妻陣一朗だ。
「やっぱり今日はいつもと全然、違いました。自分も最初のティショットを打つまで、すごく緊張しました。でも、いつかこんな大観衆のなかでやってみたい、というのは漠然と思っていて、それが現実になった感じです。今までこれだけのギャラリーの方々に見られてゴルフをすることはなかったですし、何より感じたのは『日本にもこんなにゴルフファンがいたんだ』ということです」(香妻)
一方で、普段は切磋琢磨するライバルたちをロープ外から眺めるプロもいた。東北福祉大の先輩・松山を観戦に来たという佐藤大平は「観てるだけでもテンションが上がる感じですからね。正直、自分も出てみたかったですね」という。
ZOZOはPGAツアーと6年契約を交わしており、ZOZOはヤフー傘下となったが、来年以降も開催が継続される見込み。となれば、毎年の秋のビッグイベントとなっていくはず。日本ツアーの出場枠がある以上、男子ツアーの選手たちにとって世界のレベルを知る絶好の機会となるのは間違いない。
改めて、PGAツアーinJAPAN「ZOZOチャンピオンシップ」が与えるインパクトは、計り知れないものとなりそうだ。