フェアウェイキープ率76.63%! 正確で曲がらないドライバーショット
今週は台湾開催の米女子ツアー「スウィンギングスカートLPGA台湾選手権」に渋野日向子選手が出場することで話題となっていますが、日本女子ツアー「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」も要注目です。現在の日本女子ツアーはまさに群雄割拠、誰が勝ってもおかしくない状態ですからね。
今週私が注目したいのは、先々週の「富士通レディース」では2位タイ、先週の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」では10位タイと調子上々の、三ヶ島かな選手。
1996年生まれで、黄金世代の2つ年上の三ヶ島選手。未だ勝利こそありませんが、勝っていないことが不思議なくらいのオールラウンドプレーヤー。平均231.83ヤード(JLPGA公式サイトより。10/31時点)飛ばすドライバーショットは正確で曲がらず、フェアウェイキープ率は76.6309%でツアー3位の精度を誇ります。そのスウィングを見ていきましょう。
アドレスは非常にオーソドックス。左手甲側が正面から多く見え、ややフックグリップで握っています。テークバックでは左肩が下がっているように見えますが、これは背骨の前傾角に沿った動きをした結果そう見えるだけ。決して左肩が下がっているわけではありません(写真A)。
トップ位置が非常に深く、それでいて軸はぶれていません。フェースは空を向くシャットフェースです(写真B)。
この深いトップから、下半身の回転で切り返していきます。ダウンスウィングの途中、クラブが地面に対して垂直になった辺り(写真C)を見てみると、上半身を開かずに下半身の回転で引き下ろすように打っていることがわかります。
そのまま体の回転を止めずにしっかりと振り抜いていくのですが、ここでインパクト付近の左足に注目してみましょう(写真D)。左足がまるで地面から生えているみたいに微動だにしません。とくに左ひざから下はがっちりと地面を踏みしめています。この左足の踏ん張りがスウィングを支え、再現性の高さにつながっています。最近は地面反力をスウィングに採り入れる選手が多いですが、三ヶ島選手の場合はいわゆる“左の壁”を使ってクラブを加速させるタイプですね。
ドライバーもそうですが、アプローチの素晴らしさも光ります。仮にアイアンでのミスショットをしてしまっても、そこからオッケーくらいまで寄せてしまえるグリーン周りの強さを持っていて、スコアが崩れない大きな理由の一つになっています。
先週のマスターズGCレディース最終日、三ヶ島選手と同組だった渋野日向子選手が、その寄せを目の当たりにして思わず「アプローチがすごい」と驚くほどです。
現時点でも安定した強さを見せてくれていますが、一度優勝してしまえばどんどん勝ち始めるようになるのでは、と個人的には思っています。まずは初優勝に期待したいですね。