シン・ジエは「ラスト4試合」の平均獲得賞金額が驚異の2400万円超
まず状況を整理すると、賞金ランク首位を快走するシン・ジエの獲得賞金は1億3269万8732円。2位の渋野日向子は1億1741万1570円。3位の鈴木愛は1億188万5165円だ。
シン・ジエのここまでの出場試合数は23試合。賞金額を出場試合数で割ると、1試合あたり576万9510円となる。残り4試合も仮にこのペースで稼ぐとすれば、賞金2307万円を積み上げ、最終的な獲得賞金額は1億5577万6772円となる。この数字を賞金女王目安ラインとし、煩雑なので1万円以下は省略するとしよう。
女王目安ラインに対し、渋野は3836万円、鈴木は5389万円ビハインドとなっている。この数字が、渋野、鈴木両選手が賞金女王となるために今後の4試合で稼がなければならない賞金の目安ということだ。
渋野の今年の1試合あたりの平均獲得賞金額は約434万円。4試合で1736万円となり、見込み優勝ラインには2100万円ほど届かない。ただ、残り4試合のうちTOTOジャパンクラシックは昨年の優勝賞金が約2525万円、最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは3000万円で、そのうちのいずれかで勝てば1億5500万円の女王目安ラインを超えてくる。
渋野が賞金女王を戴冠するためには、残り4試合のうち1勝が条件となりそう。もちろん、残り4戦のうち2試合以上で勝てれば、賞金女王の可能性はグッと高まる。
鈴木愛の場合、女王目安ラインまでは5389万円稼ぐ必要があり、これには2勝が必須。伊藤園レディス、大王製紙エリエールレディスの優勝賞金はそれぞれ1800万円だから、その両方を勝っても1789万円足りず、となるとできれば4戦中3勝……となり、賞金女王奪還の難易度は高い。
もちろん、その間にシン・ジエが勝利を挙げた場合、賞金女王争いはシン・ジエが圧倒的優位に立つことになり、最終戦を待たずに2位以下に3000万円差をつけて決定というシナリオも考えられる。
最後に、シン・ジエのここ5年のラスト4試合の獲得賞金額を見てみると、2018年約3616万円、2017年約3201万円、2016年約1777万円、2015年約3002万円、2014年約581万円で、平均するとわずか4試合で年間の賞金シード獲得ラインを超える約2435万円という額を叩き出している。とくに最終戦ではここ5年で2勝を挙げており、抜群の相性だ。
データからみると、シン・ジエ圧倒的優位は揺るがない印象。今年の女子ゴルフの顔とも言える渋野、勝利数は5勝ともっとも多い鈴木がどこまで追いすがれるか、注目だ。
※2019年11月5日18時59分内容を修正しました