女子ツアーは残すところあと4試合。賞金女王争いも、本命シン・ジエ、対抗渋野日向子を中心に、直近の「樋口久子 三菱電機レディス」で今季5勝目を挙げた鈴木愛を加えた3人の争いにほぼ絞られてきた。クイーンの座をつかむのは誰か、データから分析した。

シン・ジエは「ラスト4試合」の平均獲得賞金額が驚異の2400万円超

まず状況を整理すると、賞金ランク首位を快走するシン・ジエの獲得賞金は1億3269万8732円。2位の渋野日向子は1億1741万1570円。3位の鈴木愛は1億188万5165円だ。

画像: 2019年シーズンも残り4試合。賞金ランク現在1位のシン・ジエ(右)を、僅差の渋野日向子(左)、鈴木愛(中)が追う展開となっている

2019年シーズンも残り4試合。賞金ランク現在1位のシン・ジエ(右)を、僅差の渋野日向子(左)、鈴木愛(中)が追う展開となっている

シン・ジエのここまでの出場試合数は23試合。賞金額を出場試合数で割ると、1試合あたり576万9510円となる。残り4試合も仮にこのペースで稼ぐとすれば、賞金2307万円を積み上げ、最終的な獲得賞金額は1億5577万6772円となる。この数字を賞金女王目安ラインとし、煩雑なので1万円以下は省略するとしよう。

画像: 現在賞金ランク1位のシン・ジエ。今季3勝、元世界ランク1位の実力で初の日本ツアー賞金女王を狙う(写真は2019年のNEC軽井沢72ゴルフ 撮影/大澤進二)

現在賞金ランク1位のシン・ジエ。今季3勝、元世界ランク1位の実力で初の日本ツアー賞金女王を狙う(写真は2019年のNEC軽井沢72ゴルフ 撮影/大澤進二)

女王目安ラインに対し、渋野は3836万円、鈴木は5389万円ビハインドとなっている。この数字が、渋野、鈴木両選手が賞金女王となるために今後の4試合で稼がなければならない賞金の目安ということだ。

渋野の今年の1試合あたりの平均獲得賞金額は約434万円。4試合で1736万円となり、見込み優勝ラインには2100万円ほど届かない。ただ、残り4試合のうちTOTOジャパンクラシックは昨年の優勝賞金が約2525万円、最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは3000万円で、そのうちのいずれかで勝てば1億5500万円の女王目安ラインを超えてくる。

画像: 海外メジャー制覇、国内ツアーでも今季3勝と躍進する渋野日向子。ルーキーイヤーにして賞金女王の称号をつかめるか(写真は2019年の日本女子プロゴルフ選手権 撮影/岡沢裕行)

海外メジャー制覇、国内ツアーでも今季3勝と躍進する渋野日向子。ルーキーイヤーにして賞金女王の称号をつかめるか(写真は2019年の日本女子プロゴルフ選手権 撮影/岡沢裕行)

渋野が賞金女王を戴冠するためには、残り4試合のうち1勝が条件となりそう。もちろん、残り4戦のうち2試合以上で勝てれば、賞金女王の可能性はグッと高まる。

鈴木愛の場合、女王目安ラインまでは5389万円稼ぐ必要があり、これには2勝が必須。伊藤園レディス、大王製紙エリエールレディスの優勝賞金はそれぞれ1800万円だから、その両方を勝っても1789万円足りず、となるとできれば4戦中3勝……となり、賞金女王奪還の難易度は高い。

画像: 樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメントで今季5勝目を挙げ、現在賞金ランク3位の鈴木愛(写真は2019年のサントリーレディス 撮影/姉崎正)

樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメントで今季5勝目を挙げ、現在賞金ランク3位の鈴木愛(写真は2019年のサントリーレディス 撮影/姉崎正)

もちろん、その間にシン・ジエが勝利を挙げた場合、賞金女王争いはシン・ジエが圧倒的優位に立つことになり、最終戦を待たずに2位以下に3000万円差をつけて決定というシナリオも考えられる。

最後に、シン・ジエのここ5年のラスト4試合の獲得賞金額を見てみると、2018年約3616万円、2017年約3201万円、2016年約1777万円、2015年約3002万円、2014年約581万円で、平均するとわずか4試合で年間の賞金シード獲得ラインを超える約2435万円という額を叩き出している。とくに最終戦ではここ5年で2勝を挙げており、抜群の相性だ。

データからみると、シン・ジエ圧倒的優位は揺るがない印象。今年の女子ゴルフの顔とも言える渋野、勝利数は5勝ともっとも多い鈴木がどこまで追いすがれるか、注目だ。

※2019年11月5日18時59分内容を修正しました

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