アマチュアゴルファーの強い味方「ユーティリティ」だが、いざ選ぶとなるとロフトは何度がいいのか、シャフトはどうするかと考えなければならないことがたくさん出てくる。正しく選んでスコアアップにつなげるために、ユーティリティの「基本」をまとめた。

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ユーティリティは「ロングアイアン」の代わりとして生まれた

画像: アマチュアゴルファーの強い味方・ユーティリティの正しい選び方を知っておこう!(撮影/増田保雄)

アマチュアゴルファーの強い味方・ユーティリティの正しい選び方を知っておこう!(撮影/増田保雄)

ユーティリティとは、そもそも2番、3番などロングアイアンの難易度が高いことから、その代替として開発されたクラブ。ロングアイアンの代替物であったため、当初はアイアンを分厚くしたような、今でいう“アイアン型ユーティリティ”的形状が主だった。

有名なところでは、1988年にプロギアが世に送り出した「インテスト」がある。その独特な形状、そしてカラーリングから「タラコ」と呼ばれ大ヒットしたクラブで、2000年頃まではユーティリティ全般を指して「タラコ」と呼ぶ人がいたくらいのインパクトを残した。

画像: 1988年に登場したプロギアの「インテスト」タラコの愛称で一世を風靡した

1988年に登場したプロギアの「インテスト」タラコの愛称で一世を風靡した

その後、2002年にはアーニー・エルスが日本のクラブメーカー、フォーティーンの名器「HI-858」の2番アイアンをバッグに入れて全英オープンを制覇。2003年にはテーラーメイドから名器「レスキューMID」が発売されるなどして、徐々にプロアマ問わずバッグの中を侵食。誰もが1本はセッティングに加えるくらいにまで、市民権を獲得するに至っている。

ウッド型ユーティリティと、アイアン型ユーティリティの違い

さて、そのような経緯を持って世に出ただけあって、ユーティリティ(以下、UT)にはアイアン型UTと、ウッド型UTの2種類がある。当初はやさしいロングアイアン代わりのクラブだったのが、徐々に5番、7番、9番といったショートウッドとクロスオーバーし、ウッド化していったわけだ。

画像: ウッド型UT(左)とアイアン型UT(右)。形状は大違いだが、どちらもユーティリティ(撮影/小林司)

ウッド型UT(左)とアイアン型UT(右)。形状は大違いだが、どちらもユーティリティ(撮影/小林司)

なので、ユーティリティはロングアイアン、あるいはショートウッドと比較するとその性能がわかりやすい。ちなみに、比較にはフォーティーンのモデルのカタログ値を使用した。

【3番アイアン】20度 長さ39インチ ライ角59度
【アイアン型UT】 21度 長さ39.9インチ ライ角59.5度
【ウッド型UT】 20度 長さ41インチ ライ角58.5度
【7番ウッド】 22度 長さ41.75インチ ライ角57.5度

21度前後の、およそ3番アイアン代替領域での比較において、3番アイアンがもっとも短く、7番ウッドがもっとも長いことがわかる。また、アイアン型UTとウッド型UTを同じロフト帯で比較した場合、ウッド型UTのほうが長いのが一般的であることもわかる。

ロングアイアンが難しい理由は多々あるが、そのもっとも大きい理由は「上がりにくさ」にある。ロフトが立っていて(数字が少なくて)、長さもウッドに比べて短いため、ボールを上げるために十分なヘッドスピードを得にくく、かつヘッドサイズが小さいため芯に当てにくい。

それを、長くして、ヘッドサイズを大きくすることによって解消したのがアイアン型UTといえる。重心位置が深くできる分ミスに強く、ボールも上がりやすくなっている。

その性能をさらに強調したのがウッド型UTだ。重心はさらに深くなり、さらに長くもなることでボールをより上げやすく、より遠くにミスなく飛ばせるようになっている。基本的に、アマチュアゴルファーに人気なのはこのウッド型UTで、その理由は端的に“やさしく飛ばせる”という一言に集約される。

ゴルフにおいて“やさしい”とは、多少芯を外しても曲がりが少なく、ボールが右に行きにくく、上がりやすく、飛ばしやすいというニュアンス。ウッド型UTは、それらの要件をすべて満たしているといえる。

それなら7番ウッドはもっとやさしいのでは? と思われるかもしれないが、それは一概には言えない。理由は長さで、41.75インチという長さは、アベレージゴルファーにとってやや扱いにくさを感じ始める長さ。飛距離性能はウッド型UTより高い場合の多い7番ウッドだが、クリーンヒットの確率で劣るため、昨今ではウッド型UTに押されている状況となっている。

そして、論じるまでもないがビギナーや100を切りたいゴルファーにとって3番アイアンは不要だ。使う場面は絶無であり、バッグに入れる必要はない。

また、シャフト選びに関しては、基本的にはフェアウェイウッドよりも重く、アイアンよりは軽いものを選ぶのがセオリーとなる。一般的にドライバーから短くなるに従って、クラブは重くなっていくと振り心地が揃いやすいというのがその理由。

また、パワーがあってアイアンにスチールシャフトを装着している人であれば、アイアンと同じスチールを装着するという手もある。手持ちのフェアウェイウッド 、アイアンの重量差を埋めるような重量帯のシャフトを選べば、大外れはしないはずだ。

ユーティリティのロフトは何度がいい? 何本入れる?

以上のようなところから、アマチュアゴルファーが選ぶべきはウッド型UTであるといっていい。次に考えたいのは、ロフトは何度くらいのものを何本くらい選べばいいのかという問題だ。

まず、UT選びに関して重要なのは、あくまでもクラブのロフトを基準に選ぶべきということだ。一応、UTにも番手表記はあり、各社「U3」「U4」というようなユーティリティ(Utility)の頭文字をとったU表記だったり、ユーティリティの別名(ユーティリティは和製英語)である ハイブリッド(Hyblid)の頭文字をとって「H4」「H5」といったH表記を採用しているが、業界統一の基準はない。

A社のU3はロフト20度だが、B社のU3ロフトは21度なんていうことはザラにあるので、番手表記はとくに気にする必要がない。また、後述するがU3を買ったらU4、U5と揃える必要があるということもとくにない。

さて、前提としてUTはロングアイアンの代替物として生まれた番手だ。現在のアイアンセットは5番からの販売が一般的で、多くのアマチュアゴルファーのバッグにも5番アイアンからがセッティングされているはず。

実際は3番、4番アイアンは入っていない場合が多いだろうが、UTはあくまでもその代替物だと考えると、ロフト選びがわかりやすくなる。

3番、4番アイアンの代替物と考えれば、ロフトは21度前後。まずはこのロフト帯をカバーしておきたい。そして、次に考えるべきは5番アイアンを自分が打ちこなせているか、否かだ。最近のアイアンはロフトが立ってきているため、5番アイアンのロフトは22度前後となっている。

画像: 青木瀬令奈は25度、28度ユーティリティを入れ、アイアンは7番から使う(撮影/大澤進二)

青木瀬令奈は25度、28度ユーティリティを入れ、アイアンは7番から使う(撮影/大澤進二)

5番アイアンが打ちこなせていないならば、それを抜き、ロフト23〜24度程度のUTを入れる。ロフトが揃っていないように感じるかもしれないが、アイアンに対してUTは長いため、ロフトは1、2度寝ていたほうが、同じ飛距離を打ちやすくなる。

ドライバー、3番ウッド、5番ウッド、21度UT、24度UTといれ、25〜26度の6番アイアン(ぶっ飛び系アイアンならば7番)につなぐ。3番ウッドが必要かどうかという議論はさておき、これはイマドキアイアンと組み合わせる場合の基本的な考え方になる。

また、5番ウッド代替(2アイアン代替)目的のロフト17度前後のUTも市場にあるが、アマチュアは手を出さないほうが無難。ロフトに対して長さが短いため、十分な浮力をボールに与えるのが難しく、やさしいはずのUTがかえって難しくなってしまう。このロフト帯は5番ウッドにお任せするのが無難だ。

反対に、ロフト24〜25度前後の6番アイアンを抜いて、ロフト26度前後のUTを入れるのは悪くない選択肢だ。アイアンが7番からというのは一昔前では考えられないが、今や女子プロでもそのようなセッティングを選ぶことが珍しくなくなっている。

ユーティリティの打ち方・飛距離・練習法

UTの打ち方に関しては、プロによってもアイアンのように打ち込むイメージで打つべしという人、フェアウェイウッドのように払い打つべしという人がいて、意見がわかれるが、ひとつ間違いなく言えることがある。

それは、ボールを上げようとしないことだ。すべてのショットに言えることだが、ボールを上げようとすると、体の開きが早くなりやすく、それに伴ってフェースも開きやすくなり、最悪の場合空振りやひどいスライスになりそうな気配を体が察知してとっさに反応し、結果的にはありとあらゆるミスを誘発するからだ。

ここでもUT選びの基本に立ち返りたい。UTは、そもそも「上がりにくいクラブの代わりに使う上がりやすいクラブ」なのだ。上がりやすいクラブを上げようとするのは本末転倒であり、もし手持ちのUTに球が上がりにくいと感じるならば、調整機能があるならロフトを寝かせる、ないなら別のモデルやフェアウェイウッドに置き換える、最悪抜く、という選択肢をとったほうがベター。

ユーティリティはそもそも上がりやすいクラブであり、飛ばしやすいクラブ。そのことを忘れずに「上げよう」「飛ばそう」と考えないことが使いこなすうえではもっとも重要となるだろう。

画像: UTはそもそも上がりやすいクラブ。上げようとしなくても勝手にクラブがボールを上げてくれるという意識でショットに臨みたい(撮影/増田保雄)

UTはそもそも上がりやすいクラブ。上げようとしなくても勝手にクラブがボールを上げてくれるという意識でショットに臨みたい(撮影/増田保雄)

練習場ではそのことを意識し、どの程度の飛距離が出て、球筋は右、左どちらに行く傾向があるかを把握しておきたい。また、低めにティアップした状態で練習しておくと、コースで意外と多い「このホールはティショット180ヤードくらいがベスポジ」という状況でのティショットに応用が効くし、過度な打ち込みやアオリ打ちが強制されて一石二鳥となる。

最後に飛距離だが、これは手持ちのもっともロフトの立ったアイアンとの関係で考えたい。たとえば、5番アイアンの飛距離が160ヤードであれば、23〜24度のUTでは170〜180ヤードが打てたら最高。21度前後のUTでは180〜190ヤード程度が目安となるだろう。

いずれにしても、ドライバーのヘッドスピードが40m/s前後の一般的なゴルファーであれば、UTで200ヤード以上の距離を狙うのはほぼ不可能と考えておいたほうが無難。だいたい160〜190ヤードのレンジをカバーするクラブ、そう考えておくと使いやすいはずだ。

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