「トップから切り返しの瞬間にクラブが倒れる」が正解
今回はジョージ・ガンカス・ゴルフを実践するうえで重要な“シャローイング”について解説していきましょう。
この“シャローイング”というワード。ここ最近になってよく聞かれるようになりましたよね。簡単に説明すると、切り返しからダウンスウィングでクラブを寝かせる、あるいは倒す動きのことを“シャローイング”といいます。実際にこの動きをスウィングに取り入れようと、頑張って練習しているアマチュアの方も多いと思います。
“シャローイング”でいちばん大事なポイントはズバリ、タイミングです。アマチュアの方にはこのクラブを寝かせるタイミングを間違っている人が多いんです。
では、どのタイミングでクラブを寝かせればいいのか。まず、従来のスウィング理論では、切り返しからダウンスウィングでは、「クラブを立てて下ろす」というのがセオリーといわれてきましたよね。これはダウンスウィングの後半、クラブが地面と平行の位置ぐらいでクラブが寝てしまうと、ヘッドが振り遅れ、フェースが開いた状態でインパクトを迎えてしまうため、クラブを立てて下ろしましょうということ。
ジョージ・ガンカス・ゴルフにおける“シャローイング”とは、トップからの切り返しの瞬間にクラブが倒れる動きのことをいいます。トップから切り返すとき、下半身が先行して回転すれば、体の動きに対してクラブが少し遅れることでシャフトは自然と後方に倒れますよね。これが正しい“シャローイング”の動きです。
切り返しではシャフトが立って下りてきて、ダウンスウィングの途中でクラブが倒れるのは間違った動きになります。トップから下半身の動きを先行させ、積極的に体を左に回転させていくジョージ・ガンカス・ゴルフでは、切り返しの瞬間にクラブが後方に倒れるのは、いわば自然な動きといえます。
言い換えるなら、切り返しでクラブを意識的に“倒す”のではなく、体の回転によってクラブヘッドに働く慣性で自然に“倒れる”というのが正解なんです。
体の回転動作に伴った切り返しのクラブの動きが“シャローイング”ですから、腰を左にスライドさせてから、胸を右に向けたまま腰を回転させていくスウィングタイプだと、クラブが倒れるタイミングが遅れてしまいます。
なので、このタイプの人は切り返しからダウンでクラブを立てて下ろす感覚のほうがマッチするといえます。ジョージ・ガンカス・ゴルフはトップから体を回転させていくので、“シャローイング”の動きがマッチしているのですが、切り返しでクラブが立って下りると、ダウンの後半でクラブが倒れてしまうのでNG。切り返しでクラブが立って下りてくるのは、体の回転と一緒か、それよりも早く手や腕でクラブを引き下ろす動きが入ってしまうのが原因です。
「シャローイング」最初は意識してやってみよう
体の回転に伴ってクラブが自然に倒れるのが、“シャローイング”の理想的な動きですが、最初は意識的に切り返しでクラブを倒して、その感覚をつかむのもいいでしょう。
たとえば、切り返しの瞬間に手元を少し前に出すような動きを入れてあげるのもいい方法。クラブが地面と垂直に立った状態から、グリップ側を少し前に出すと、慣性でシャフトが自然と倒れるからです。感覚がつかめてきたら手先ではなく、トップの位置にクラブを置いたまま、下半身を先行して回転させることで、手元が自然と少し前に出て、切り返しでシャフトが倒れる動きを体に覚え込ませましょう。
ここでのいちばん大事なポイントはグリップに力を入れないこと。トップからの切り返しでグリップの力が抜けていれば、体の回転に伴って自然とクラブが倒れ、理想的な“シャローイング”の動きが起こります。
トップから手先でクラブを引き下ろす意識があると、グリップに余計な力が入りやすく、クラブも立って下りてきてしまいます。また、クラブが立ちやすい人は、切り返しで体と手元の距離が近い、あるいは近くなってしまうんです。これもグリッププレッシャーが強くなることで、腕の筋肉が収縮してしまうのが原因です。
アドレスはもちろん、バックスウィングのときもグリップの力を抜くことで、トップで必要以上に右ひじが曲がらずに手元を体の遠くにキープすることができます。
いちばんグリップに力が入りやすいのは切り返しの瞬間なので、切り返しでは体を左に回転させていく動きに対して、右腕を伸ばして体から遠くに離していくようなイメージがあるといいでしょう。そうすることでグリップの力も自然と抜けて、理想的な“シャローイング”の動きにも繋がります。実際、世界トップレベルの選手は、切り返しで体と手元の距離が遠いんです。
ジョージ・ガンカス・ゴルフにとって、この“シャローイング”は必須の動きになるので、ここで解説したポイントを踏まえながら、繰り返し練習してみてください。
協力/Five elements