「プラチナ世代」4人がプロ入り
制度変更に伴い、かつてないほどの激戦と言われた今年のプロテストの舞台でも、2000年代生まれの「プラチナ世代」はしっかりと結果で存在感を示した。
8アンダーの2位タイで合格の西村優菜を筆頭に、安田祐香が5アンダー4位タイ、澁澤莉絵留が4アンダー6位タイ、吉田優利が2アンダー12位タイと、通過したプラチナ世代全員がアンダーパー。
彼女たちは言う。
「ずっと苦しかったですが、このプロテストを受からなければ何も始まらないので」(西村)
「1発合格できて本当にうれしいし、自信にもなりました。これからもさらに上を目指して頑張りたい」(澁澤)
「しんどかったですけど、ホッとしてしますね。いつも通りのプレーをしていれば大丈夫と。プレッシャーとかはとくになかったですね」(安田)
「1日長かったですけど、何とか乗り越えることできてよかった」(吉田)
ホールアウト後こそ「失敗できない4日間」を無事終えたことに安堵の表情を見せたが、それぞれにプロでの目標を聞かれると「賞金女王」(西村)や「いずれは米国でやってみたい」(澁澤)と、すぐに‟次の”大きな目標に切り替える逞しさがあるのもこの世代の特徴でもある。
そんな上昇志向の源はどこにあるのかー?
プラチナ世代でプロテストトップ通過した西村優菜が、代弁してくれた。
プロテスト合格も「通過点」(西村)
プロテストを「通過点」と捉え,一発合格への原動力となったと西村が振り返るのが、先日「富士通レディース」で史上7人目のアマチュア優勝を果たし、その後、プロに転向した古江彩佳の存在だ。
「まずはQT(来季の出場優先順位を決める予選会)をしっかり通らないといけないですが、古江ちゃんには、まだ追いついたと思っていません。古江ちゃんはツアーのシードを持っていますしね。ほんの少し近づいたぐらいだと思っています」(西村)
もちろん、届かない目標はではない。むしろ古江の優勝からプロテストまでの1か月のなかで同じプラチナ世代同士で、盛り上がっている‟合言葉”があるという。
それは「来年、ここでみんなで集まって、優勝を争うぐらいに盛り上がろう」というもの。
今回のプロテストの会場となったJFE瀬戸内海GCは、来年の「日本女子プロゴルフ選手権 コニカミノルタ杯」の開催コースでもある。古江も含めたプラチナ世代でツアーの主役を、というわけだ。
「彼女(古江)だけに限らず、私たちのまわりには、いい選手がいっぱいいます。今は『黄金世代』と呼ばれている先輩方がツアーを盛り上げていますが『プラチナ世代』と呼ばれる私たちが『黄金世代』を超えていける存在に、という話はみんなで集まったときに、よくしています」(西村)
プロテスト合格は文字通りの通過点。プラチナ世代が見据える先は、ルーキーで迎えるであろう来年のツアーの‟主役”を張ることのようだ。