アマチュア推薦枠で3人の学生アマチュア選手が出場中の男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」。世界アマチュアランキング1位・金谷拓実(東北福祉大3年)に加え、その金谷と双璧の逸材と評されるのが、日本体育大1年の中島啓太だ。大会前には初めて「世界アマチュアランキング」でひと桁台の9位に浮上。次代の日本のエース候補に将来の展望を聞いた。

大学卒業後はPGAツアーに“直行”を希望する

中島にとっては初出場の「三井住友VISA太平洋マスターズ」は、43位タイだった7月の「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」以来、今季2試合目のプロツアー参戦。2日目までを3オーバーの35位タイで終え「今回は絶対に結果にこだわりたい」とさらに上位進出を見据えた。

大学進学後の今年は、8月の「日本アマチュアゴルフ選手権」で2位。しかし、大会後に、盲腸を発症し手術。体重が4キロ落とすなどコンディションを整えるのに苦労したという。

病み上がりの9月の「アジアアマチュア選手権」では「目標でもあり、ライバル」と2位に入った現世界アマランキング1位・金谷拓実に9打差をつけられ、18位タイ。「あまり納得はできなかったです」と自身は不本意な結果だった振り返る。

「入院で1カ月、何もできず、復帰後は球をとらえる感覚が全然違い、一気にパフォーマンスが落ちました。今はトレーニングで逆に病気前から1.5キロ増の73キロまで増えました。状態も良く、プロの大会でどの程度できるか自分でもすごく楽しみです」(中島)

今回のツアー参戦で、そのときの悔しさも晴らしたいと意気込んでいる。

画像: アマチュア推薦枠で出場の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で上位進出を狙う大学生・中島啓太

アマチュア推薦枠で出場の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で上位進出を狙う大学生・中島啓太

そんな中島は大学卒業後、国内ツアーを経ずに米PGAツアーに挑戦する夢を持っている。

決して容易ではないハードルを越えるために取り入れたのが、メジャーリーグで活躍する大谷翔平が高校時代から取り入れていたことで有名な「目標達成シート」だ。

分割した紙の真ん中に最終目標を書き、周囲の項目に「最終目標に必要なこと」をかき込む‟夢実現“へのアプローチ法。中島は、真ん中に「世界アマチュアランキング1位」と記し、具体的なアプローチとなる周囲項目のひとつに「平均飛距離300ヤード」と書き込んだ。

「大学在学中に飛距離300ヤードを平均で超えておく。その距離をいつでもフェアウェイに打てるという意味で。それをスタンダードに、状況によって必要とあらば、パワーを使って、それ以上の距離を狙って打てるプレーヤーを目指しています」(中島)。

現在の平均飛距離は290ヤード。残りの大学生活で、あと10ヤード以上伸ばすことを念頭に、トレーニングを計画的に行い「とにかく今は筋量を増やしていかないと、そこまではいけない」と体重80キロ前後をメドにした‟飛ばせる体作り“がクリアすべき課題という。

自らが考え抜いた末に出した方向性を後押してくれたのが、仲間と生観戦した先日の米PGAツアー「ZOZO チャンピオンシップ」。コリン・モリカワとフェード弾道と、マシュー・ウルフの平均飛距離330ヤードの‟飛ばし“を目の当たりにし、ティショット向上の必要性を痛感させられたという。

「モリカワ選手は自分と同じフェードボールの持ち球で、まさに今の自分が理想としている低弾道で直進性の高い球。マシュー・ウルフ選手は20歳で、自分とほぼ同年代ですが正直、今の自分とはパワーが違い過ぎました。やっぱり残りの大学生活の時間でその差を埋めないことには……ということです」(中島)

世界で戦う日本人ゴルファーになるために「在学中、できるだけ早い段階で『世界アマランク1位』に。そのために決めたことを積み重ねる。それも全力で」(中島)。参戦中のプロツアーで仮に好結果を得たとしても、高い理想を描く19歳は簡単には満足することはなさそうだ。

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