「速攻で行きます」
「速攻で行きますね。資格があるんだったら行ってどういう感じなのか、1年でもいいから行きます。ゴルフの違う見方や、幅が広がるのかなと思いますね」(高橋)
そう語るのは来季のシードを獲得した黄金世代の高橋彩華。同じく黄金世代で、今年プロテストに合格した田中瑞希も、やはり「権利が手に入ったら行きたい」という。
「めっちゃ行きたいです! 小さい頃から宮里藍プロに憧れがあったし、きついとは思うけど、賞金もすごい高いじゃないですか、夢です(笑)」(田中)
渋野が勝ったAIG全英女子オープンで35位タイだった勝みなみも同意見だが、「QT(予選会)を受けてまで行こうとは思わない」という。
「行けるなら今しかないと思いますね。ただ(米ツアーは)移動とかが大変。食事とかも海外行ったときにやっぱり不安で、1週間行ったときも日本のご飯食べたいなって思いますしね」(勝みなみ)
勝は、渋野や鈴木がそうだったように、海外メジャーや米ツアー主催試合などで優勝し、出場権利が得られれば行きたいと語る一方、アメリカでの生活面などの不安からQTを受けてまで行こうとは考えていないようだ。
淺井咲希、小祝さくら、古江彩佳など多くの女子プロたちの意見は「チャンスがあるなら行きたい。だけどQTを受けてまでではない」といったところ。日本での生活のしやすさはもちろん、日本の女子ツアーのレベルも上がっているからこその意見なのかもしれない。
ツアー引退は「まったく考えられない」
では、大江、一ノ瀬、佐伯、諸見里らのような一線を退く決断、事実上のツアー引退については関してはどう感じているのだろうか。
「寂しいですね。先輩たちが今のLPGAを築いてきたので、そう考えたらもうちょっといて欲しかったなって思いますね」(勝みなみ)としつつも、自身の引退について考えたことやイメージしたことはあるか問うと「まだ(プロ生活が)始まったばかりなので、ないですね」と即答。もちろんこれは勝だけに限ったことではない。
「今は考えたことないですね」(吉本ひかる)
「まったくない。今は(ツアーで結果を残す)やることしか考えてないてないですね」(田中瑞希)
「全然考えたことないです」(高橋彩華)
と多くの若手選手たちは引退を考えたことも、イメージしたことさえもないという。ただ高橋彩華は「体力的には30(歳)くらいまでなのかな……」と語ってくれた。1998年度生まれの黄金世代とその下の世代が30歳となるのは約10年後。10年前には、今回引退を発表したプロたちも引退を考えていなかった可能性が高い。
先のことではなく、「今はツアーで結果を出すことしか考えていない」と口を揃える彼女たち。若さの特権とも言える、そのひたむきな姿勢があるからこそ、ハタチ前後のプロたちは強く、そして魅力的ということも言えるのかもしれない。