現在開催中の日本女子ツアー「大王製紙エリエールレディス」。その2日目、渋野日向子のプレーの模様を、プロゴルファー・中村修がレポート!

パットに苦しめられた2日目

エリエールレディス初日を5アンダー2位タイで終えた渋野日向子選手。ですが、今日はとにかくパットに苦しめられました。1番ホールからセカンドをピン筋2メートルの位置につけてバーディチャンスを作ったものの、右に外すミスパットで、パー。続く2、3番ホールもバーディパットまでは漕ぎ着けますが、決めきれずスコアを伸ばせません。

画像: 2日目2アンダー、トータル7アンダーで現在9位タイの渋野日向子(撮影/大澤進二)

2日目2アンダー、トータル7アンダーで現在9位タイの渋野日向子(撮影/大澤進二)

ようやく決めきることに成功したのが4番ホール320ヤードのパー4。ティショットではUTを選択し、フェアウェイセンターへ運びます。セカンドを見事を1メートルに乗せバーディパットをしっかり入れました。

画像: 1番ホール、さっそくバーディチャンスを作るもパットを決めきれず、パー

1番ホール、さっそくバーディチャンスを作るもパットを決めきれず、パー

続く5番ホール、485ヤードのパー5。アドレスした後にギャラリーの携帯が鳴ってしまうアクシデントがありましたが、なんとかフェアウェイ右サイドに運び、残り180ヤードを打ち上げて2オン。5~6メートルの下りのイーグルパットは外してしまいましたが、連続バーディです。

このまま流れに乗っていくか、と思いきや、7番ホールはアプローチをピン右側に外してしまい、寄らず入らずのボギー。続く8番ホールも2.5メートルのパットを外し、ボギーとしてしまいます。

画像: 8番ホールはティショットを右に外してしまい、そのままボギー

8番ホールはティショットを右に外してしまい、そのままボギー

悪い流れを後半に持ち越さないためにも、ここが堪えどころ。前半最後の9番ホールは495ヤードのパー5。左に切られたピンに対してセンター右奥に2打目を外してしまいましたが、ピンそば1メートルにつける見事な寄せでバーディ奪取。なんとか1つ伸ばした状態で折り返すことに成功です。

10分ほど休憩し、後半がスタート。2日目は昨日と打って変わって空は曇り模様、気温も上がらず肌寒いです。

10番ホールから13番ホールはすべて2.5メートルのバーディチャンスにつけることに成功したのですが……前半と同じくパットが決めきれない。ストロークのフィーリングが悪いのか、右に外すミスが多いです。

それでもなんとか堪えていましたが、15番ホールのパー4でアプローチをミスしてボギー。スコアを1つ落としてしまいます。残り3ホール、なんとか伸ばして終わりたいところ。続く16番ホールは190ヤードのパー3です。

ちょうど16番に着いた辺りでポツポツと雨が振り始めます。加えて前の組が詰まり、16番ティイングエリアで15分ほど待つことに。体が冷えないようにコンディションを整えつつ、打ったショットはピン手前3メートルからの絶好のバーディチャンスでしたが、ここもパットが入らず、パーです。

17番ホールへ進んだ頃には傘が必要なくらいに雨が強まってきました。セカンドをアイアンでレイアップし、残り約90ヤード。左足下がりのライからピン方向2.5メートルにグリーンオン。パットもしっかり入り、待ちに待ったバーディ奪取です。

そして、最終18番ホール。このホールが2日目のハイライトでしょう。ドライバーでフェアウェイど真ん中、残り130ヤードの位置まで運びます。打ち上げのセカンドショットを打つと、グリーンで渋野選手の帰りを待っていたギャラリーたちの大歓声が聞こえます。グリーンに足を運ぶと、ピンそば30センチ、あわやイーグルのナイスショットでした。しっかり入れて、上がり2ホールを連続バーディで終えることができました。

結果的には2日目は2アンダー、トータル7アンダー9位タイで終えることができた渋野選手。ラウンド後、さっそく不調だったパターの矯正に取り組んでいました。キャディに頭の右側を手で抑えてもらい、その状態でパッティングするという練習ドリルです。実はこれ、今週は帯同していない青木コーチからの指示なんだとか。

画像: ラウンド終了後、課題のパット練習に取り組む渋野

ラウンド終了後、課題のパット練習に取り組む渋野

「インパクトからフォローで右に頭がズレるとインパクトがズレて球が右に出るんです。それを矯正して球を捕まえるため(の練習ドリル)です。しぶこのパターの軌道はちょっとインサイドアッパーなので、頭が下がった状態でボールを(目で)追いかけてしまうんです」(青木コーチ)

ドライバーは14回中13回フェアウェイをキープできているし、パーオンも18ホール中15回成功しているので、相変わらずショットの調子はとても良い状態。ピンをデッドに狙うスタイルを貫くこともできています。残るパターの問題点も明確なので、明日以降パターが復調すれば、優勝争いに加わることは十分に考えられそうです。

7つ伸ばした鈴木、シード権をかけて戦う森田

エリエールオープン2日目は、実に様々なドラマが巻き起こった一日でした。まず、今日圧巻のプレーを見せたのは鈴木愛選手。初日は1アンダーと出遅れましたが、今日はショットもパットの調子も良く、7つスコアを伸ばし現在トータル8アンダーで5位タイ。史上初の4週連続優勝が見えてくるほどの良いプレーでした。

また、現在賞金ランク2位のシン・ジエ選手もしっかり5位タイにつけています。賞金女王争いにも引き続き注目ですね。

もうひとつ、目が離せないのが、来季シード権をかけた争い。予選カットが行われる2日目、シード権が危うい選手たちは、まさに死にものぐるいでプレーしていたはずです。

とくに注目したいのが、現在10アンダーで2位タイの森田遥選手。現在賞金ランク61位で、シード権、もしくは来シーズン前半戦の出場資格が得られる55位圏内に滑り込むため、なんとしても上位でフィニッシュしたい試合です。

賞金女王争い、シード権争いと見どころが盛りだくさんなエリエールレディス。明日以降も注目してみてください。

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