「今日のコンペは『新ペリ』だからね」。多人数が集まって順位を争ういわゆる“ゴルフコンペ”の際に、こんな会話が交わされることがある。ただ、ゴルフビギナーには「新ペリ」と言われてもなにがなにやら、だろう。この用語について、詳しく見てみよう。

「新ペリア方式」とはなにか?

「新ペリ」とは「新ペリア方式」のこと。これは、ゴルフにおいてハンディキャップを算出する方式のひとつ(やり方は後述)。

ゴルフでは、腕前の異なるゴルファーがともに楽しく争うことができるように、ハンディを用いることがままある。オフィシャルハンディキャップである「JGA/USGAハンディキャップインデックス」、メンバーシップのゴルフ場が独自に用いる「クラブハンディキャップ」などあがるが、企業内コンペなど、ハンディキャップを持たないゴルファー同士で競技をする際に用いられるのが、1日だけのハンディキャップ算出方式。「新ペリア方式(通称/新ペリ)」は、そのもっともポピュラーなものと言える。

画像: 隠しホールで大叩きしたゴルファーが多くハンディを獲得することもある(撮影/中野義昌)

隠しホールで大叩きしたゴルファーが多くハンディを獲得することもある(撮影/中野義昌)

ペリア方式の算出方法

ハンディがないと、たとえば社内で一番ゴルフの上手いA課長がつねに優勝、ゴルフをはじめたばかりのB部長は万年ブービー賞(最下位よりひとつ上の順位に与えられる賞)といったことが起こる。それでは参加するほうも楽しくないので、B部長にはより多くのハンディを与え、A課長と同じ土俵で争えるようにするのがハンディの趣旨。それによく用いられるのが「新ペリ」方式というわけだ。

まずはペリア方式の説明から。ペリア方式では、まず主催者側が算出対象となる“隠しホール”を6つ選ぶ。隠しホールは、インコース、アウトコースからそれぞれパー3、パー4、パー5をひとつずつ選ぶのが一般的で、どのホールが隠しホールかはプレーヤーには知らされない。

プレーヤーはいつも通りにストロークプレーを行い、ラウンド後に隠しホールのスコアを合計、それを元にハンディキャップを算出し、ネットスコア(実際のトータル打数からそのプレーヤーのHCの数字を引いた数)を割り出す。

ハンディキャップ算出の数式は、(隠しホールの合計×3-72)×0.8(80%)というもの。

たとえば、仮に6ホールすべて5打でホールアウトしたとしたら、隠しホールのスコアの合計は30となる。これを上の計算式に当てはめると、30×3=90→90-72=18→18×0.8=14(小数点以下は四捨五入)となる。つまり、ハンディは14。仮にグロススコア(実打数)が90だったとしたら、ネットスコアは76ということになる。

ペリア方式は「ダブルパーカット」が基本

ちなみに、本来、ペリア方式を採用する競技では、ダブルパーがスコアの上限となる。つまりパー4の最大スコアは8(ダブルパーカット)。しかし、日本ではどんなに叩いても、そのままのスコアを使うことが多いため、隠しホールでたまたま大叩きしただけの人がハンディを多く獲得するということがままある。

画像: グロスでの勝負ではないため、最後まで勝負がわからないのが“新ペリア方式”の面白いところだ(撮影/中野義昌)

グロスでの勝負ではないため、最後まで勝負がわからないのが“新ペリア方式”の面白いところだ(撮影/中野義昌)

新ペリア方式、新・新ペリア方式の違いとは

これが「ペリア方式は運任せで不公平」という認識につながり、より公平を期すため、隠しホールが12の「新ペリア(ダブルペリア)方式」を採用するケースが多いわけだが、隠しホールが12もあると運の要素が減りすぎる、という声もあり、隠しホールが9つの「新・新ペリア方式」を採用するケースもある。

また、ハンディの上限を決める(たとえば36が上限とか)というケースも多くある。1ホールのスコアをダブルパーではなく、トリプルボギーを上限とする「トリプルカット」を行うケースもある。

ハンディを青天井にするか、上限を決めるか、1ホールのスコアの上限をどうするかはコンペ主催者が事前に決めておく必要があるということだ。逆に、主催者側の問題なので、プレーヤー側は「なんか難しそうだなあ」と臆することはなく、ただ普段通りにプレーするだけでOK。強いていえば、大叩きしたホールで「このホールが隠しホールであることを願います(笑)」などと言うと、場が和む可能性はある。

さて、もしあなたが実際にコンペを開催しようと思い立ったら、あるいはコンペの幹事を任されることになったら、その旨を事前にゴルフ場(キャディマスター室)に伝えておくといい。スコアカードをまとめて提出すれば、スコアを算出してくれるはず。

ペリア方式でも、新ペリア方式でも、新新ペリア方式でも、ハンディキャップ方式はコンペの参加者みんなが公平に、楽しむことがいちばんの目的。それぞれ一長一短はあるが、最終的にはその日いつもよりもいいプレーをした人は、しっかり上位に入るものである。

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