月曜日、宮崎市内で行われたテレビマッチ「京セラ フェニックスチャレンジ」の収録に、渋野日向子や勝みなみ、原英莉花、香妻陣一郎、そしてキャメロン・チャンプといった面々とともに臨んだ石川遼。その現場を取材したゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎が、石川遼の“スウィング改造”の模様をレポート。

石川遼プロを前に見たのは9月のパナソニックオープンでのこと。そのときは、ドローもフェードもいい感じで打てていて、スウィングと球筋が合っていて、調子の良さを伺わせてくれました。それから約2カ月、久しぶりに見た石川プロのスウィングは、大きく印象を変えていました。

画像: ZOZOの翌週からスウィング改造を取り組み始めたという石川遼(写真は2019年のブリヂストンオープン 撮影/岡沢裕行)

ZOZOの翌週からスウィング改造を取り組み始めたという石川遼(写真は2019年のブリヂストンオープン 撮影/岡沢裕行)

本人に聞くと、10月のZOZOチャンピオンシップの翌週、上海で開催されたWGC HSBCチャンピオンズあたりからスウィングを変える取り組みをはじめているそうです。

世界の一流選手がフェースローテーションが少なく、インパクトゾーンを長くして方向性を良くする取り組みをしているのを見て、自身もフェースをシャット気味に使い、フェースローテーションを抑えたスウィングに取り組んでいるようです。

画像: テークバックではアウトサイドに上げる動作を何度も繰り返していた

テークバックではアウトサイドに上げる動作を何度も繰り返していた

ZOZOで来日したマシュー・ウルフのように、テークバックをアウトサイドに上げ、そこからダウンスウィングでクラブをシャローにしたいため、インサイドにクラブを寝かせるようにする。そんなイメージを体に覚え込ませようと、動きを何度も繰り返していました。

ダウンスウィングではシャフトが地面と平行になるくらいのポジションで腰を開き、クラブを振り遅れた状態にするような動作を行っています。フェースをシャットに振って、そのままインパクトを迎えると引っかかってしまうため、その分だけ体の回転を早く・多く使う必要があるというわけです。

画像: ダウンスウィングではインサイドにクラブを寝かせるような動作を反復していた

ダウンスウィングではインサイドにクラブを寝かせるような動作を反復していた

このように振ると、インパクトゾーンは長くなり、クラブはよりシャローな(ゆるい)角度でインパクトを迎えることになります。球筋としては、ストレートからフェード。石川プロの持ち球であるドローボールとは逆のイメージの球筋になります。

石川プロは、もともとダウンスウィングで目標へのスライドが入り、クラブがインサイドから下りてドローを打っていくタイプ。それを矯正しようという試みを石川プロは度々行っています。

個人的見解ですが、アプローチのスウィングにはその人のスウィングのクセが出やすいと思っています。たとえばこの日のテレビマッチでプレーしていた渋野日向子選手はシャットに上げてダウンで開く、どちらかといえば今石川プロが目指しているようなアプローチをしますし、キャメロン・チャンプ選手は手首を固めたまま体の回転だけで打つようなアプローチをします。いずれも、フルショットのスウィングによく似ています。

では石川選手はどうかといえば、遠心力を使いながら、適度にフェースのローテーションを入れるアプローチをしています。はっきり言って絶妙で、ボールのフェースヘの乗せ方、回転量などは他の選手よりも明らかにいい。このアプローチからも、基本的には適度にローテーションを入れるスウィングのほうが向いていると、個人的には思います。

世界のトップ選手の多くが、フェースの開閉を抑えたスウィングをしているのは事実ですし、今の
トレンドでもあります。しかし、タイガー・ウッズは決してシャットにスウィングしていませんし、松山英樹選手もしかりです。

2カ月前に見たスウィングが素晴らしかっただけに、なおさらそう思うのかもしれませんが……引き続き、石川プロのスウィングを追いかけていきたいと思います。

<「京セラ フェニックスチャレンジ」放送日時:2019年12月22日(日)16〜17時 放送局:MBS/TBS、CBC、HBC、RKB、MRTほかネット>

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