鈴木愛は単独2位で女王決定。シン、渋野は「最低でも2位」が女王への条件
まずは、賞金女王の可能性を残す3名の賞金を確認しておこう。
1位 鈴木愛 1億5302万5665円
2位 シン・ジエ 1億3803万7195円(鈴木との差:1498万8470円)
3位 渋野日向子 1億3791万4314円(鈴木との差:1511万1351円)
賞金ランクトップなので、鈴木愛は勝てばもちろん賞金女王が決定する。また、リコーカップの単独2位の賞金額は1740万円で、その金額を加算した場合の獲得賞金額は1億7042万5665円となり、仮にシン・ジエが優勝して賞金3000万円を加えても逆転は不可能となる。つまり、鈴木愛の賞金女王の条件は「単独2位以上」だ。
2位のシン・ジエには逆転賞金女王へ2つのシナリオがある。まずは、自身が優勝する場合。鈴木愛が3位以下ならば元世界ランク1位で米女子ツアー賞金女王経験者でもあるシン・ジエが、待望の日本ツアー賞金女王となる。
もうひとつは単独2位に入った場合。その場合、鈴木愛が10位以下かつ渋野日向子が3位以下の場合でも、シン・ジエが賞金女王だ。
ランク3位の渋野日向子も可能性は2つある。ひとつはもちろん優勝した場合。この場合、鈴木愛3位以下、シン・ジエが2位以下で、渋野が賞金ランク1位でシーズンを終えることになる。
シン・ジエ同様2位でもチャンスは残る。この場合、鈴木愛が10位以下、シン・ジエが3位以下ならば、渋野が賞金女王だ。
つまり、シン・ジエ、渋野日向子ともに「最低でも2位」が逆転賞金女王への条件で、その上で、鈴木愛の結果次第ということになる。一方、鈴木愛は「自力賞金女王」が唯一可能であり、仮に2位までに入れなくても、シン・ジエ、渋野の結果次第では賞金女王の可能性は十分に残る。
鈴木は過去5年で3回トップ10。シンは過去5年で2勝。渋野は初出場
さて、ゴルフの成績はコースや大会との相性も非常に重要となるが、宮崎CCを舞台に開催される最終戦「リコーカップ」の会場と、3選手の相性も過去5年をさかのぼって見ておこう。
まず鈴木愛は、2018年が3位タイ。2017年が7位タイ。2016年が6位タイ。2015年が11位タイ。2014年が26位となっている。初出場の2014年こそ26位に終わっているが、それ以降は年々成績を伸ばし、ここ3年は3年連続トップ10。相性は悪くないと言っていいだろう。
ではシン・ジエはどうか。同じく過去5年を見てみると、2018年が優勝。2017年が3位。2016年が3位。2015年が優勝。2014年が7位タイ。過去5年でトップ10を外した試合はなく、2度優勝。ディフェンディングチャンピオンでもあり、相性の良さは出場全選手中最高と言っていい。
さて、最後に渋野日向子だが、彼女はツアールーキーで、最終戦へは初出場だ。もっとも、初めての海外ツアー参戦となったAIG全英女子オープンを制するという離れ業を成し遂げた彼女のこと、どんな奇跡を起こしても、もはや驚くことはない。
状況を見れば、獲得賞金額、現在の調子から鈴木愛が本命。大会との抜群の相性からシン・ジエが対抗。そして渋野日向子がダークホースといったところか。
誰が勝ってもおかしくなく、誰が賞金女王になってもおかしくない。面白すぎる賞金女王争いは、明日開幕だ。
※2019年11月25日に掲載した記事内容に誤りがあったため、大幅に加筆・修正を行いました。