サングラスは冬こそ必要
「え?サングラスってむしろ、夏は使う機会多いけど冬は別に必要ないんじゃないの?」
そう思っている人も少なくないはずだが「ゴルフ場では冬にこそ、有用なものになります」。そう話すのが、スポーツ用眼鏡に詳しく、某プロ野球チームなどプロスポーツチームのアイウェアのサポート経験を持つ尼崎の眼鏡専門店「メガネのアマガン」のマネジャー・阪上勝基氏。「なぜ冬のゴルフに必要なのか?」を詳しく解説してもらおう。
「ゴルフ場は、そもそも山岳地帯やシーサイドコースのように年間を通して、直射日光を受けやすい場所にあり、年間を通してサングラスは携帯しておくのがお勧めです。なかでも、冬は1年のなかで最も眼が太陽の光を受けやすくなります」
冬は太陽の高さが低く、サングラスなしでまぶしいと感じる機会はむしろ増える
なぜ太陽の光が眼に入りやすくなるかは、季節ごとの太陽の位置関係にある。1日のなかで、東から上り西に沈む太陽自体の動き自体は不変だが、夏と冬では「高さ」が違うのだ。
「地上からみて夏の太陽は1年のなかでも最も高い位置にあり、実際に地上にいる人間に光が当たる部分は後頭部など、頭上に感じることが多いですが、逆に冬は1年でも太陽が低い位置にあり、光の角度も『上』からではなく『横』からという風に当たり、夏よりも正面から光が差してくる感覚になります。光が『眩しい』と感じる機会も冬が多くなります」
サングラスがないと「朝イチのティショット」でボールを追えない
では、実際に「眩しい」と感じる場面はどんなときか?
「朝イチのティショットホール」の例が実にわかりやすい。
冬場は日の出時刻も遅く、朝一番の組などは、まだ半分薄暗い日が昇る最中でのスタートとなるケースも多い。
「たとえば、そのホールが打ち下ろしホールで南東向きに打ち出す感じだったりすると、立ち位置からも、日の出の太陽を真正面に受ける感覚に近いと思われます」
仮にそういった位置からのショットでも「手で光を遮ればいいだろう」と一時的なものとしか受け取らない人もいるかもしれないが、本当の‟悲劇“はこの後に起こるという。
「ボールを『追えない』ケースが多々あります。見失うのはもちろん、打った本人が『眩しい』と感じたからで、太陽の光と重なり、眼が反射的に視線をそらした間に行方が分からなくなる、感じです。野球で言えば、フライを追った選手がナイター照明とボールの軌道が重なり、一瞬にしてボールが見失うケースがありますが、まさにそれと同様のことが起きます」
同伴者も似たような位置にいるため、結果的に「どこに飛んだか」を誰も判別できず、OBではないのに結果、あるはずのボールがロストになるケースも少なくないという。
太陽は「午前に上がり、午後に沈む」ことを考えれば、同様の現象は西日がさす夕方の時間帯にも起こることが想像できるだろう。
サングラスの目的は「目を守る」こと
昔ほどではないが、サングラスの装着はコワモテのイメージを持たれたり、或いはカッコつけのイメージをいまだに持つ人がいる。しかし、そもそもは眼を‟守る“ためのアイテムなのだ。
「いまだにそういう方もいらっしゃって、サングラスをかけること自体に抵抗もある方も少なくないですが、そもそも何のためかと言えば、眼を強すぎる光から保護することが目的なのです」
季節は冬本番。寒空の下でも、勇んでコースへ足を運ぶゴルファーがこの時期、気を使うのは防寒対策だろう。そこに、忘れてはいけないアイテムとして「サングラス」も付けくわえておきたい。