2019年シーズンでは渋野日向子、河本結、原英莉花と黄金世代と呼ばれる若手プロたちが次々と初優勝を挙げた。そんな黄金世代の一員で、優勝こそないものの何度も優勝争いを経験した吉本ひかるは賞金ランク28位と初シードを獲得した。来季の活躍が期待される彼女は一体どんな選手なのか。

2017年プロ入り、2018年はレギュラーで戦うも、壁にブツかる

吉本ひかる(よしもと ひかる)は、1999年2月25日生まれ、滋賀県出身の20歳。2017年7月に89期生としてプロ入りした彼女は同年ステップアップツアーとレギュラーツアー4試合ずつ参戦。ステップアップツアーでは3試合でトップ10入りを果たし、そのうち「日台交流うどん県レディースゴルフトーナメント」で初優勝を挙げ、順調なスタートを切る。

画像: 2017年にプロ入りを果たした吉本ひかるは今季賞金ランク28位と来季のシード権を獲得した(写真は2019年の富士通レディース 撮影/小林司)

2017年にプロ入りを果たした吉本ひかるは今季賞金ランク28位と来季のシード権を獲得した(写真は2019年の富士通レディース 撮影/小林司)

2018年シーズンは「ヤマハレディースオープン葛城」以降19試合レギュラーツアーに出場。「CAT Ladies」で6位タイと、健闘するも、13試合で予選落ちと壁にぶつかり、賞金ランクは99位(年間獲得賞金440万5千円)。悔しい思いが残るシーズンとなった。

賞金シードを獲得できなかったため、QT(来季の出場優先順位を決める予選会)に出場。見事、21位で2019年シーズン前半の出場権を来季の出場権を獲得。今年の活躍へとつなげた。

今季は36試合に出場し、トップ10入りが8回。トップ30入りが18回。そして「KKT杯バンテリンレディスオープン」では単独2位、「38th フジサンケイレディスクラシック」では2位タイと2週連続で優勝争いも経験し、優勝へもあと一歩のところまで迫っている。

ドライバーが「飛んで曲がらない」を実現して躍進

吉本は苦しんだ昨シーズンと躍進を果たした今シーズンとの違いについてこう話していた。

「去年と比べると飛距離が伸びたというのが一番大きかったですね。20(ヤード)くらい……20は盛ったかも(笑)15くらいかな。ドライバーの飛距離が変わってセカンドが楽になりました」(吉本)

昨季と今季のスタッツを見比べてみると平均飛距離は221.48ヤード→231.13ヤードと確実に飛距離が伸びて数値が良くなっている。さらにフェアウェイキープ率が69.5238%→76.2350%と向上。結果、パーオン率も58.8889%→70.0935%と大幅に数値が改善されている。

一般的に飛距離が伸びるとフェアウェイキープ率は下がりやすいが、吉本の場合、「飛んで曲がらない」を実現したことが成績に直結したようだ。

画像: 平均飛距離数値を始め、様々な数値が昨シーズンと今シーズンのスタッツを比べると大幅に改善しているのがわかる(写真は2019年の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 撮影/岡沢裕行)

平均飛距離数値を始め、様々な数値が昨シーズンと今シーズンのスタッツを比べると大幅に改善しているのがわかる(写真は2019年の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 撮影/岡沢裕行)

来季の課題はパッティング

一方で、ほぼ毎試合レギュラーツアーに出場して改めて“課題”と実感したこともあるという。

「やっぱりパターですね。今年は決めなきゃいけないところで決めきれないところが結構多かったんです。来年は今年より結果を出して、優勝を目指していきたいので、オフシーズンはアプローチとパターが大事を中心的に練習して伸ばしていきたいです」(吉本)

得意だというユーティリティとロングアイアンを武器にパーオン率のスタッツを1年で約11%向上させた吉本。これにパッティングも向上すれば……プロ初優勝もさらに実現味を帯びてくる。

「初シードは嬉しいですが、来年以降もシードを続けていきたいので、これからのオフの過ごし方をしっかりしたいなと思います」(吉本)

プロデビューした2017年から着実に成長している吉本ひかる。トッププロの第一歩ともいえる“シード選手”となり来シーズン開幕戦から挑む彼女は、どんなプレーを魅せてくれるのか。ゴルフファンなら覚えて欲しい選手のひとりだ。

2019年賞金ランク28位。吉本ひかるのプロフィール

名前吉本ひかる生年月日1999年2月25日ゴルフ歴9歳~
出身地滋賀県身長152センチプロ転向2017年7月29日(89期生)
出身校滋賀短期大学付属高等学校血液型A型得意クラブユーティリティ/ロングアイアン

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