トーナメント中継などを観ていると、ツアープロがグリーンを狙うショットを放った際などに解説者が「ピンをデッドに狙ってきましたね」などとコメントすることがままある。この“デッド”とは果たしてどういう意味なのか? ゴルフならではの表現の意味を解説!
ピンデッドってどういう状態?
カップに直接放り込むくらいのイメージで、ピンを真っすぐ狙うことを、「(ピンを)デッドに狙う」と言う。あるいは、略して「ピンデッド」と言うこともある。たとえば、「ここはピンデッドでいくよ」という具合。
英語の“dead”は、通常、“死んでいる”という意味の形容詞で使われるが、“一直線の”という意味もあり、ゴルフで使われる場合に限って言えば、“ピン側の(ピンに向かって)”という意味になる。また、たとえば“deadserious(デッドシリアス)”と使うと、“完全に本気”という意味になり、“完全に”とか、“真剣に”という副詞としても一般的に使われる。
ちなみに、トム・カイトやベン・クレンショーといったメジャーチャンピオンの師匠として知られる、アメリカのティーチングプロ、故ハービー・ぺニック氏が遺した言葉の中に、“Take dead aim.”という有名な一文がある。
ぺニック氏の著書の日本語訳版では「死ぬ気で狙え」と訳されているが、上記の“dead”の用法を考慮すると、これは誤訳で、実際は「ターゲットをしっかり決めて打ちなさい」という意味だと解釈することができる。
我々一般アマチュアゴルファーも、肝に銘じたいゴルフの名言と言えるだろう。
(ゴルフダイジェストTVより。一部加筆)