渋野日向子ら98年度生まれの黄金世代を中心に、来年は00年度生まれのプラチナ世代も参戦することでさらに盛り上がりを見せそうな女子ゴルフ。しかし、一部では「プラチナ以降は弱くなる」という声も聞かれる。それはなぜか? そもそも本当か? ジュニアゴルフに精通するプロコーチ・井上透に話を聞いた。

「プラチナ以降は弱くなる」は本当か?

今年の日本女子アマに勝ち、プロテストにも合格した現在高校3年生(千葉・麗澤)の西郷真央、日本女子オープンで高校1年生(兵庫・滝川第二)ながら9位タイに入ってローアマを獲得した日本ジュニア王者の梶谷翼など、“プラチナ以降”も有望な若手選手が控える女子ゴルフ界。

ただ、強いジュニアは多くいるが、競技人口自体は減少傾向にあると井上透は言う。

「今の大学1年生の世代(プラチナ世代)以降、選手層はやや薄くなると思います。ジュニアの統計データを見ても、人数が減っていますから」

画像: 今季国内4勝を挙げた渋野日向子(写真は2019年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 撮影/大澤進二)

今季国内4勝を挙げた渋野日向子(写真は2019年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 撮影/大澤進二)

いつの時代も傑出した選手が出てくることはある。しかし、競技人口が減れば層が薄くなるのは否めないというわけだ。そして、それは男子において顕著で、女子の場合はそこまで顕著に減らないという。

「女子の競技人口は落ちず、男子が落ちるというのがデータでは出ています。それは『ウチの子をプロスポーツ選手に』と親が望んだ場合、男子は野球やサッカーなどの受け皿があるのに対し、女子の場合はゴルフが選ばれる可能性が極めて高いことが一因です。だから、女子のほうが男子に比べて優秀な選手が明らかに出やすくなっているんです」(井上)

女子ゴルフは活躍すれば「稼げる」ことも大きい

プロ野球選手の年棒は、活躍すれば1億円、2億円と上がっていく。女子のプロスポーツ選手でそこまで稼げるスポーツはそう多くないが、ゴルフはそういった額を稼げる可能性がある。

「親が子にプロスポーツ選手になってほしいという希望を持っていたり、自分が何らかのアスリートをやっていて、子どもに夢を託すというときに、ゴルフは一番現実的です。プロツアーがあり、賞金額が高く、それで生活しているプロ選手が多数いますから」(井上)

画像: 渋野日向子に憧れてゴルフを始めた世代が10年後女子ツアーをさらに盛り上げてくれるかもしれない(写真は2019年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 撮影/大澤進二)

渋野日向子に憧れてゴルフを始めた世代が10年後女子ツアーをさらに盛り上げてくれるかもしれない(写真は2019年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 撮影/大澤進二)

今後、今の黄金世代、プラチナ世代の活躍も、大きな影響を及ぼすだろうと井上は予想する。渋野日向子の顕著な活躍があり、渋野以外にも有力選手が多数いることは、もちろん簡単な道ではないけれども「ウチの子をプロスポーツ選手に!」と考えた場合の有力の後押しとなるのは間違いないだろう。

10年後かあるいはもっと先か。渋野日向子に憧れてゴルフを始めた世代は、いったい「何世代」と呼ばれているのだろうか。

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