渋野日向子を筆頭とする黄金世代が中心となり、大いに盛り上がった2019年の女子ツアー。そんな黄金世代の一員・高橋彩華は賞金ランク19位と躍進し、初シードを獲得した。来季の活躍が期待される彼女は一体どんな選手なのか。経歴と本人の声から探っていこう。

渋野日向子となにかと共通点の多い、高橋彩華のプロ生活

高橋彩華(たかはし・さやか)。1998年7月24日生まれ、新潟県新潟市出身。アマチュア時代の2016年にJGAナショナルチームに入り、日本女子アマチュアランキング1位に輝くなどトップアマとして活躍するが、その道のりは必ずしも平坦ではない。

2017年の高校卒業年に挑戦したプロテストでは、思うようなプレーができず53位と不合格。2018年シーズンの出場権を得るため、ファーストQT(来季の出場優先順位を決める予選会)に出場する。無事ファイナルまで進出し、そこで22位と2018年シーズン前半戦の出場権を獲得することになる。

2019年から制度が変わり、基本的にはプロテスト合格者しかQTを受けられなくなったが、当時はプロテストに落ちてもQTで結果を出せばツアーに出ることができた。

余談だが、この年のプロテストに不合格し、QTに回った選手に渋野日向子がいる。高橋と渋野はその後プロ合格も同時など共通点が多い。

画像: 賞金ランク19位と初シードを獲得した高橋彩華(写真は2019年の樋口久子 三菱電機レディス練習日 撮影/小林司)

賞金ランク19位と初シードを獲得した高橋彩華(写真は2019年の樋口久子 三菱電機レディス練習日 撮影/小林司)

2018年はシード獲得ならず。しかし2019年は一気に躍進

さて、迎えた2018年シーズン、高橋は開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」から出場。それ以降、29試合出場するが、17試合で予選落ちと壁にぶつかる。

それでもプロの世界で戦ってきた経験は大きく、2018年7月に行われた最終プロテストでは9アンダーの19位タイと見事合格。晴れてプロとなり、同年8月の「CAT Ladies」では20位タイと自己最高順位で終えるなど、それ以降予選通過する試合も増えたが、賞金ランクは92位(604万1208円)に終わる。

賞金シードを獲得できなかったため、再挑戦したQTで28位と上位につけ、翌2019年シーズン前半戦の出場権を獲得。「シードを獲ること」を目標に掲げた高橋は「ニチレイレディス」で自身最高順位の単独2位と成績を残し、そこまでの順位でそれ以降出場できるかどうかが決まる第1回のリランキングで10位と上位に入り、以降の試合に勢いづけた。

画像: ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメントでは単独4位と好成績を残した高橋(写真は2019年の撮影/岡沢裕行)

ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメントでは単独4位と好成績を残した高橋(写真は2019年の撮影/岡沢裕行)

その後9月の「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」では単独4位。10月「日本女子オープンゴルフ選手権」では5位タイと上位に名前が挙がることが多くなった。優勝こそないものの、トップ10入り8回、トップ30入り18回と2018年シーズンとは別人のような安定した成績を残し、19位(5528万9178円)で初シードを獲得した。

高橋は初シードの喜びをこう語る。

「今年一番の目標だったシードを獲れたというのは凄く嬉しいです。前半戦はパターに苦しんで、思うように予選通過とかができなかったんですけど、夏前くらいからパターが良くなってきて予選通過できる試合が増えてきてよかったと思います。ただ、優勝争いになると決めなきゃいけないパターが決めきれないので、オフシーズンではショートゲームを中心的に練習しようかなと思います」

ショット力が大幅向上。パット力がついてくれば、初優勝も遠くない

2018年シーズンと2019年シーズンの実績を見比べると、予選通過した試合が増えていることはもちろんのこと、上位フィニッシュしている試合も多くなった。なにが変化したのだろうか。

スタッツを見比べると、パーオン率が63.8498%(74位)から74.6032%(4位)と大幅に向上。それ以外でもボールストライキング(トータルドライビング順位とパーオン率順位を合算した値)が168(88位)から14(4位)、バーディ数が193(74位)から354(7位)、60台のラウンド数が4回(91位)から26回(12位)と良くなっている。

その結果、予選ラウンド平均ストロークが73.7400(86位)から71.5232(22位)、決勝ラウンド平均ストロークが73.8552(84位)から71.3872(15位)と数値が改善されている。

画像: アイアンを得意とする高橋は「どこにピンが切っていてもピンを狙っていきます」という(写真は2019年のニチレイレディス 撮影/大澤進二)

アイアンを得意とする高橋は「どこにピンが切っていてもピンを狙っていきます」という(写真は2019年のニチレイレディス 撮影/大澤進二)

自身のプレースタイルについて「持ち球がストレートで曲がらないので、ショットでどんどん攻めていく(スタイル)」と話していた高橋。得意なショットにさらに磨きがかかり、2019年シーズンの結果につながったのかもしれない。

一方で自身でも課題としてあげていたのはパター。スタッツをみると、1ラウンド当たりの平均パット数は30.6728と84位。パーオン率が74%と高いため、パット数が増えるのはある程度自然なこととはいえ、パッティングが強化されたら、プロ初優勝もまた一歩近づくだろう。

「まだ初優勝を挙げれらていないので、来年はまず初優勝を目指して頑張りたいです」

高橋は一番の目標だったという“シード選手”となり、2020年シーズンは開幕戦から出場する。2018年から2019年にかけて飛躍的な成長を遂げている高橋彩華は2020年にどんなプレーを見せてくれるのか、楽しみだ。

初シード獲得、高橋彩華のプロフィール

名前高橋彩華(たかはし・さやか)生年月日1998年7月24日ゴルフ歴10歳~
出身地新潟県新潟市身長162センチプロ転向2018年7月28日(90期生)
出身校開志国際高等学校血液型A型得意クラブアイアン全般
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