「新しいクラブを使ったほうが飛ぶし、やさしいに決まっている」
非公式試合ではあるが、2年ぶりに全英オープンチャンピオンのヘンリク・ステンソンがバハマで行われた「ヒーローワールドチャレンジ」で優勝した。連日60台を叩き出したのはステンソンのみ。昨年のチャンピオンであり、レース・トゥ・ドバイを制したジョン・ラームは1打差で破れた。
「サンタクロースが来る前に、優勝して世界ランキングのポイントを稼ぎたいと思っていたけど、優勝できてよかった。今は必要なときにショットをコントロールでき、そのこと自体に自信を持っている」
ここのところ、悪いプレーではなかったが、優勝争いには不十分だったというステンソン。昨年のスタッツを見ても、FWキープ率は年間を通して72.13%で5位とティショットの精度は高かったようだが、パーオン率は118位とショットメーカーのステンソンの割にはあまり芳しくなかったようだ。
そのためか、バハマに向かう前にドバイでコーチのピート・コーワンにみっちり、アイアンショットのセッションを行ってもらったそうで、それが功を奏したようである。
「ドバイのときよりもボールストライキングはよくなってきた。アイアンが非常にソリッドだ。日に日にピンそばにつけられるようなショットが増えているのはいいサイン。ちょっとしたことがピートとの練習でわかったんだ。そのおかげでクラブをスウィング中、正しいポジションに置くことができ、ヘッドスピードも速くなってきた」
また、彼は長年ドライバーイップスで、3Wでのティショットが彼の定番ショットだったが、今年ついに長年愛用の3Wが破損し、自宅のガレージへ……。現在は数週間前から使い始めているEPICフラッシュの3Wを使っている。なかなかクラブを変えようとしない彼のこと、さぞかし、愛用の3Wが破損したことを残念に思っているかと思い、話を聞いてみたところ、意外にニュー3Wをすんなりと受け入れているようだった。
「ウェントワースの試合の前の水曜日、昔の3Wのフェースが壊れてしまったんだ。だから変えざるを得なかった。僕も新しいテクノロジーが詰まっている新しいクラブを使ったほうが飛ぶし、やさしいに決まっているとわかっていたし、そんなに気にならなかったよ。新しい3WはHSBCチャンピオンズから試合では初めて使ったが、気に入ってる」
信頼できるニューウェポンを入手し、アイアンショットの精度も戻ってきているというステンソン。来年はリオオリンピックの銀メダリストとして東京オリンピックに参戦するのを楽しみにしている。前回はジャスティン・ローズに金メダルを譲ったが、来年はこれまた長年愛用の日本モデルのキャロウェイのレガシーアイアンを武器に、金メダルを狙う。