つま先下がりはフルショットしない!
アマチュアゴルファーが苦手なもののひとつに傾斜地からのショットがある。とくに、左足下がり、前下がりなどはボールをつかまえにくく、ミスショットになりやすい。
だが、プロの試合などを見ていると、傾斜地からまるで平らなライと同じように軽々と乗せてくる。これは一体どんな秘密があるのだろうか?
やってきたのは難しくて楽しいと評判のきみさらずゴルフリンクス(千葉県)。その12番ホール、317ヤードのパー4。その2打目は残り100ヤード強と距離は短いが、つま先下がりの状況だ。
こんなとき、プロはどう考え、どう打ってくるのか?
秋山真凛(以下、秋山):グリーンセンターまで100ヤード程残してライはつま先下がりになってますね。飯田プロはつまさき下がりで気をつけていることはありますか?
飯田真梨(以下、飯田):そうですね……つま先下がりってボールとの距離感が遠くなって届かないことが多いと思うんですよ。
秋山:たしかに。フェースのトウ側に当たって右に抜けるミスが多くなりますよね。
飯田:私、身長が170センチあって女性としては背が高めなんですけど、背が高いとどうしても重心が高くなっちゃいがちで、こういうつま先下がりのライだと普通の人以上にボールに“届かない”ことが多いんです。わたしはそういうミスを防ぐために“マン振りしない”ように気を付けてます。
秋山:なるほど。コントロールショットのイメージですか?
飯田:ボールに当てにいくイメージですね。フルショットするとどうしても上下運動が出てきて、ただでさえボールとの距離感を間違いやすいつま先下がりがもっと難しくなっちゃうんですよ。上下運動を抑えるという意味でフルショットをしないんです。
秋山:その分、番手を上げて余裕を持って打つ?
飯田:そう!
というわけで、飯田の選択は、距離に対してやや大きめの番手であるピッチングウェッジ。体の上下動を抑えたコントロールショットで狙ったボールは……見事ナイスショットでバーディチャンスへ!
「番手を上げてフルショットしない」という、誰でもすぐに試すことができるつま先下がりの攻略法。次のラウンドで、是非試してみてはいかがだろうか。
協力:きみさらずゴルフリンクス