まるで最終日のように喜びを爆発させた米国選抜
最後の最後までどちらが勝つかわからない、すごくいい勝負だった。それが今日のタイガー組と松山選手組のマッチを振り返っての第一印象です。
最終ホール、ジャスティン・トーマスが難しいパットを沈め、最後の最後で米国選抜が勝利をつかんだのですが、その瞬間、タイガーも、トーマスもパターを放り投げ、タイガーはトーマスを抱きしめるべく歩み寄り、トーマスは何度も何度もガッツポーズを繰り出します。
グリーン周りからは副キャプテンや試合に出ていない選手たちが集まり、まるで米国の最終的な勝利が決定したかのような喜びようです。それだけ世界選抜との戦いが紙一重の勝負だったということですし、国を背負って戦う重さを感じさせるシーンでした。
惜しくも敗れてはしいましたが、松山英樹選手は初出場のアン・ビョンフンをしっかりと支え、4回出場の“エース”の働きを見せてくれました。ラウンドを振り返っていきましょう。
まず出だしですが、昨日米国選抜に唯一の勝利をもたらし、公私ともに仲のいいタイガー、トーマス組に対し、初出場のアン選手は硬さがぬぐえません。
2番ホールで「ミスするなら左」というセカンドショットを右にミスするなど、初出場、2日目の最初の組、慣れないフォアサム(ひとつのボールを交互に打つ)、相手はタイガー、いろいろな状況が重なり、普段ならしないようなミスが出てしまいます。
米国有利な流れを変えたのは松山選手。5番ホールを2アップで迎えた米国選抜は、タイガーがセカンドを1メートルにつけ、バーディを確実な状況に。5ホールで3アップとなれば、完全に米国に流れが行くという中、松山選手は5メートルほどのバーディパットを決め切り、流れを食い止めます。
すると、次のホールでは松山選手がティショットを放つと、アンが寄せ、それを松山選手が沈めてナイスバーディで1ダウンに戻すと、アンも調子を取り戻し、そこから7番、8番と3連続でとり、一気に逆転を果たします。
松山選手は15番のパー5でもキレのいいフェードをアイアンで打ってイーグルチャンスにつけるなど、ショットが好調。同じくショット好調のタイガーとは、エース対決と言っていいような戦い振りを見せてくれました。
さて、今日のマッチは互いに2勝2敗1分とし、昨日ついた3ポイント差は変わらないまま、土曜日を迎えます。
午前中に行われる各チーム2人ずつが自分のボールをプレーし、いいほうのスコアを採用するフォーボール戦に、松山選手は昨日タッグを組んだ台湾のC.T.パン選手と再び組んで、これまた昨日と同じパトリック・リード、ウェブ・シンプソン組と戦います。
リード、シンプソン組は2連敗中ですから、世界選抜としては爆発力のあるリードをエース松山で抑え込んでおきたいといったところでしょうか。
午前中のフォーボールには名前がありませんでしたが、午後のフォアサムには米国選抜で唯一2連勝を果たしているタイガー・ウッズがエースとして出陣してくるはずです。組み合わせは明日にならないとわかりませんが、果たしてタイガーを迎え撃つのは誰になるでしょうか?
きっと、米国選抜のタイガー、世界選抜のエルスの両主将も、今日は明日の組み合わせに頭を悩ませるのではないでしょうか。
世界選抜の“予想外”の大健闘で俄然面白くなってきたプレジデンツカップ。明日も楽しみにしたいと思います。