「1カップ右」を4つの選択肢から選んでもらった
10人の女子プロに「1カップ右」はどれのことを示しているかを、4つの選択肢の中から選んでもらった。ちなみに、仮想カップとは実際のカップの右隣にある仮想のカップのことだ。
1:仮想カップの真ん中
2:仮想カップ右ふちからボール1個内側
3:仮想カップ右ふち線状
4:仮想カップ右ふちからボール1個外側
(※写真1を参照)
さて、女子プロ10人に聞いたところ、圧倒的に多かったのが「3」の仮想カップ右ふちの線上という答えだった。実際の回答を見てみよう。
「カップのふちから1カップ右とか左をイメージするので私は3番です」(淺井咲希)
という淺井咲希の意見が代表的。基準点がカップのふちであるため、そこから「1カップ分右」ならば、当然のごとく仮想カップの右ふち線上になるということだ。
「1カップだったら私は3番!」(山路晶)
「私は3番ですね」(小祝さくら)
「私は2か3かな…2かな。いや3!」(吉本ひかる)
「傾斜によって変わるけど、基本的には3番ですね!」(田中瑞希)
と多くのプロは「3番」と回答。考えてみれば、フックラインの場合であれば「3」の選択肢はカップの幅を広く使えることになる。それだけカップインの可能性が広がるわけで、プロがその選択肢を採用するのも納得がいく。
「1カップ右」がどこを示すか、事前に打ち合わせする?
ただ、ここで疑問。プロ自身が「3」と思っていても、キャディが「2」と思っていたらラインの読みに誤差が出るのでは? ……というわけでプロに聞いてみると、やはり事前に打ち合わせをしているようだ。
「事前に伝えます。私はキャディさんが毎回違うので、練ランで私の1カップ右はこれくらいですとか最初から言いますね。『ボール1個』とかもそうで、事前にこれくらいが私のボール1個で、このくらいが1カップって伝えてますね」(菅沼)
菅沼の場合は初めてのキャディさんの場合は試合中誤差が生まれないように事前に確認をとっているそうだが、長年タッグを組んでいる選手はどうなのだろうか。実の父がキャディを務める大里桃子に聞いてみた。
「私は2番ですね。ラインの相談をお父さんとすることはあるけど『カップ1個だね』とかそのくらいのやりとりなんです。なので、お父さんがどこをカップ1個分だと言っているのかわからないです。もしかしたらお父さんはこう(選択肢の3番を指さしながら)思っているかも知れません(笑)」(大里)
今回10人に聞いたうち、唯一「ワンカップ右」を「仮想カップ右ふちからボール1個内側」とした大里。果たしてお父さんと意見は合っているのか……!?
そこで大里の父・充さんに「1カップ右ってどれですか?」とプロと同じように聞いてみると、即答で「2番」という回答。お互い話し合ったことはないそうだが、まったく同じ意見。調査した中では少数派ではあったが、長年タッグを組んだ大里親子はあうんの呼吸で同じ回答を選択していた。
「カップ」で考えない選手も
一方で、3番と回答したもののそもそも“カップ”ではイメージしないという選手もいた。稲見萌寧や勝みなみがそのタイプだ。
「ショートパットでは1カップで話すこともあるけど、基本的にはカップより手前のライン上(がターゲット)です。たとえば『このディボットを通る感じかな』とか話すことが多いです」(稲見萌寧)
「結構感覚派なので、『カップ1個ですよね』とかじゃなくて、『ここらへんでいいですかね』みたいにイメージのライン上を指すときが多いです」(勝みなみ)
ちなみに以前男子ツアーで同じような取材をしたときに、パットの名手・谷口徹は仮想カップのド真ん中の1番を狙うと回答してくれていた。女子プロで1番という意見はいなかったが、もしかしたら男女で狙い方の違いもあるのかもしれない。
あなたがイメージする「1カップ右」は1、2、3、4……どれのこと?