ネイルアートで構えたときの“景色”が変わった
失敗のイメージが拭えず、パットに恐怖心が芽生えてしまい打てなくなってしまう「パットイップス」。2019年のCATレディースで初優勝を果たした黄金世代・淺井咲希も、学生時代にパットイップスになったことがあるという。
「ロングパットはまだ動くんですけど、ショートパットが打てなくなって。ホールアウトもできなくて。パターも握れないところまでいったんですよ、怖くて」(淺井、以下同)
イップスを克服するために淺井は様々なことを試した。たとえば、パターの握り方。順手ではなくクロスハンドにしてみたり、「毎打(握り方を)変える感じ」だったという。見えなければどうだろうかと、目をつぶった状態でパターを打っていたこともある。「プロテストのときは目をつぶって打っていましたね」というからすごい。
とにかく何かを変えてみよう。そう考えた淺井が試したのは「ネイルアート」だ。
「気持ちの問題ですけど、とりあえず何か変えていこうと思って。ネイルしてなかったときは気づかなかったんですけど、してみたら案外爪って(パットのときに)見てるんですよね、構えたときとかに視界に入るし」
爪を派手にすることで視界に入る景色が変わり、気分も変わったのだという。それだけが要因ではないようだが、その後、淺井のイップスは回復に向かう。そして、無事にツアー優勝まで果たしたのはご存知の通り。なにがプラスに働くかはわからないものである。
ネイルをしない男性ゴルファーの場合はアドレス時に視界に入るもの、たとえばシューズやパターグリップなどを普段と違うカラーのものに替えてみるだけでも、イップス克服のきっかけをつかめるかも。それでもどうしても無理ならば、思い切ってネイルアートに挑戦すると、新たな世界の扉が開くかもしれない。
協力/きみさらずゴルフリンクス