高齢者は「健康」社会人は「仕事」女性は「楽しむ」ためにゴルフしている!?
調査は「最近1年間にゴルフをプレーした」人を「ゴルファー」、「しなかった」人を「ノンゴルファー」とみなし、性別、性年代別(男女それぞれ20~30代、40~50代、60~70代)の6項目に分類している。
まずは初めに「ゴルフをする人」の年代別構成とその動機を見てみよう。「ゴルフをする人」のなかで41%ともっとも多くの割合を占めた60~70代の高齢層は、86%が友人とのゴルフを楽しんでいて、83%がゴルフは健康のバロメーターと考えているという。健康のための楽しい趣味、とゴルフをとらえていることがわかる。
また、全体の30%に当たる40〜50代、9%を占める20〜30代の社会人層は、40〜50代が69%、20〜30代の58%が仕事上の付き合いでゴルフをプレーしていることがわかった。社会人として仕事の付き合いでゴルフを覚え、定年後は生涯の趣味としてゴルフをプレーする。そんなイメージだろうか。
また、全体の20%に当たる女性ゴルファーでは、友人や夫、パートナーとのプレーがメインで、年代が上がるごとにゴルフをアクティブに「楽しむ」ためのツールとして活用しているようだ。
「ゴルフはお金がかかる」イメージ、やっぱり根強かった
健康のため、仕事の付き合いで、純粋に楽しむため……いずれも「ゴルフをする理由」としては納得だが、「ノンゴルファー」層の「ゴルフをしない理由」はなんだろうか?
理由は経済的なものが多く、複数回答された内容のうちもっとも多い85%に上がったのが「ゴルフ用具が高いから」2番目が「ゴルフウェアや靴などのアパレルが高いから」3番目が「ゴルフ場でのプレーフィが高いから」4番目が「ゴルフレッスン代が高いから」と、「高いから」の文言がついてまわっていることがわかる。
かつてに比べて金銭的ハードルは大幅に下がっているが、やはりゴルフ=高いというイメージは今もあるようだ。
ただ一方で、「ノンゴルファー」の中には「一年以内にはゴルフをしていないが、過去にはゴルフ経験がある」という人が29%おり、それに加えて「ゴルフをしたことは一度もないが、ゴルフをしてみたい」という人も17%いる。
そして、その17%は男性20〜30代が22%、女性20〜30代が28%と、若者中心なのだ。
キーワードは「コスパ」か
そんなノンゴルファーは、どんなゴルフ場があればプレーしたいと思えるのか? というアンケート結果もある。
アンケート結果によると、全世代共通の傾向として「初心者向けコース(63%)」「ゴルフクラブを無料で借りることができる」(62%)など‟気軽さ“を求めている模様だ。
「ゴルフ未経験者」を「経験者」に、そしてリピーターになってもらうには?
専門家にも話をむけ、実際にアイデアも出してもらった。
日常的にゴルフ未経験者を対象にした「ゼロワンメソッド」レッスンを開催し、ゴルフ人口拡大に取り組んでいるプロゴルファーの永井延宏は言う。
「初心者の方であれば18ホールをいきなり全て回る、というのはけっこう大変ですよね?ハーフプレーでも『楽しい』と思ってもらうことが大事ですし『また次を』と技術的な欲求も作ってあげることも大事です。たとえば、最初の組が8時スタートなら、アウトなら初心者は7〜9番ホールスタート、まずは3ホールを体験後に、練習場で練習。食事を挟んで、午後の最終組スタート後、アウトの最初の3ホールなり、6ホールを回るなどが考えられると思います」
自らの技量など進行面で後続の組に迷惑をかけるリスクも減り、初心者はまずはコースを体験後、途中で練習し再びコースで‟復習“をして「ハーフプレー」で回るサービス。「ゴルフ場にとっても収入源になる」(永井)というプランはなるほど魅力的だ。
今後必要になるのは「敷居の高さ」ではなく「気軽さ」。時代とともに変わるニーズにゴルフ場も対応が必要なことをこのデータは示してくれている。