近年外国人選手の参入もありツアー自体の「レベルが上がっている」と日本の選手はいう。レベルを押し上げているひとりが、南ア出身のショーン・ノリスだ。190センチ100キロを超える巨体から繰り出すパワーフェードを武器に18年&19年と2シーズン連続で賞金ランク2位に入り「今年こそナンバー1を目指す」とシーズンを前に「賞金王宣言」が飛び出した。
実は涙もろいノリス。今年こそ歓喜の涙を流せるか
2019年最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップ。逆転賞金王には優勝しかなかったが4位タイに終わり、惜しくも賞金王・今平周吾の後塵を拝した。
「ベストは尽くしたので後悔はありません」と気丈に胸を張ったがその瞳には大粒の涙が。じつはノリス、いかつい風貌ながら大の泣き虫。勝っては泣き、負けては泣き、さまざまな場面で人間臭さを見せてきた。
ゴルフの手ほどきをしてくれた最愛の父を2019年の7月に亡くしたとき、悲しみに打ちひしがれながら「どんなことがあっても戦い続けなさい」という父の言葉通り日本にとどまり、キャディを務めた弟と二人三脚で挑んだトップ杯東海クラシックで優勝を飾ったときにも大号泣。大きな体を丸めて泣き崩れたたもの。
シーズン終盤、賞金王争いは前年同様今平とノリスの一騎打ちに。「イマヒラさん、覚悟してください。今年こと私が勝つ」と2連覇阻止を誓ったがダンロップフェニックスで無念のリタイヤ。結局1300万円足りずにシルバーメダルコレクターとなった。
「自分にとってはここ(日本)がホームツアー。家(南ア)に帰るには24時間近い時間がかかるけれど、日本に戻ってくるとホッとする。これからもここで戦いたい」。決して腰掛けではなく骨を埋めるつもりで「できるだけ長くプレーしたい」とノリスはいう。
日本の魅力は「レベルも高いし賞金も悪くない。移動がラクですべてが便利。しゃぶしゃぶも焼肉も美味しい! でもなにより人がやさしい」
骨を埋める覚悟の日本ツアーで目指すのは悲願の「賞金王」。南アが誇る不屈の闘志で20年はナンバー1になってうれし涙を流したい。