斎藤大介トレーナーは米ツアーを拠点とし、リディア・コやイ・ジョンウン6、畑岡奈紗などのトッププレーヤーのトレーナーとして活躍した人物。その斎藤トレーナーが、”チームしぶこ”に合流。渋野日向子の専属トレーナーを務めることになった。斎藤トレーナーに渋野の肉体改造についてインタビュー形式で答えてもらった。

青木翔コーチが問題点を指摘。斎藤トレーナーが体の面から仕上げる

--渋野日向子選手の体の特徴は?

かなり運動能力の高さを感じます。トレーニングをしても飲み込みが早く、遺伝的な部分が大きいと思いますが、できなかったことがすぐにできるようになります。まだ(取り組みを始めて)ひと月くらいですが、課した動きに対して動きの改善に対応するスピードが速いですね。

画像: ”チームしぶこ”に合流した斎藤大介トレーナー(左から2番目)の指導のもと体の使い方をトレーニングする渋野日向子(写真は2019年のLPGAツアー選手権リコーカップ)

”チームしぶこ”に合流した斎藤大介トレーナー(左から2番目)の指導のもと体の使い方をトレーニングする渋野日向子(写真は2019年のLPGAツアー選手権リコーカップ)

基本的な体の強さは備わっていますが、トレーニングをやる中で弱い部分もあって伸び代しかないと感じています。

体作りは3年計画で取り組んでいますが、青木翔コーチからはその都度問題点が送られてきます。たとえば、切り返しで上半身が強く入り過ぎてしまうとか、インパクト以降の右足のかかとの粘りがないとか、アドレスでつま先寄りに重心がいきやすかったり、テークバックで手から動いてしまい中心の意識が抜けやすいとかそういう課題がコーチから明確に届いているので、それを僕が体の面から仕上げるという役割でやっています。

--オフのトレーニングの課題は?

このオフは、強さよりは使い方に重点を置いて取り組んでいます。重い重量を扱うようなことはまだやっていなくて、使い方7割強さ3割でやっています。自重を使いながらするトレーニングが多いですね。どのレベルを目指すのかにもよりますが、スウィングってそんなに簡単には変わらないですよね。でも体の使い方に関してはかなりセンスがいいので、伸びるのは速いと思います。

画像: 渋野の肉体改造は3年計画で進めるという斎藤大介トレーナー

渋野の肉体改造は3年計画で進めるという斎藤大介トレーナー

体の使い方はオフで何とかして、そこから強さのトレーニングを入れて理想のスウィングを目指して行きます。トレーニングを始めてから体が生まれ変わるのには180日くらいが目安なので、そのスパンで考えています。

今月(2019年12月)もトレーニングは続けていますが、忙しい中でもトレーニングはしっかりできています。「これできるようなった!」という感じで進歩が見えてきたので楽しんでやれていますね。

--渋野選手が小さいころにお父さんと重さのあるボールを投げるトレーニングをしている映像を見たことがあります。やはり、そのような積み重ねは大きいのでしょうか。

ジュニア時代の過ごし方は一番重要でそ、ここはかなりいい影響が出ていますね。ただクラブを振るだけではなくて、適度な負荷をかけたり親御さんがそういう知識がある(渋野の両親はともに陸上選手)ことが英才教育になったと思います。

――青木コーチからの指示があるのはやりやすい?

今まで様々なコーチと仕事を取り組んできましたが、ここまでトレーナーを信頼してくれて頼ってくれるコーチはいませんでした。青木コーチとはトレーニングの状況をフィードバックしてそれをスウィングにどう生かすのかを話し合っています。

12月はそれぞれスケジュールが忙しいので1月以降は3人でしっかり取り組んでいくことになっています。

--来年は海外メジャーも出場するようになりますよね。コンディションを維持するも大変なのでは?

ゴルフはプレー時間や日数も他の競技に比べると長いので独特の体力というかスタミナが必要になります。アスリートは意外とそういうものに弱く、一極集中で力を一気に出すタイプが多いですね。たとえばイ・ジョンウン6は長期戦に向かないので3試合やって1試合休むといったように、体だけじゃなくて頭やメンタル面のスタミナも必要になります。

--トレーナーとして目指すところは?

2020年はオリンピック、最終的にはメジャーをすべて制覇するグランドスラムまで目標がはっきりしているのでそこに向けて3年計画で進めています。しっかりと結果がだせるようにサポートしていきたいですね。

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