年が明け、いよいよオリンピックイヤーとなる2020年が始まった。約半年後に迫った東京五輪での活躍が期待されるジャスティン・ローズのスウィングを、プロゴルファー・中村修が改めて分析した。

連覇を達成できれば史上初の快挙

東京オリンピックを語るうえで欠かせないのが、ジャスティン・ローズです。2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックではヘンリク・ステンソンとの激闘の末、金メダルを勝ち取りました。

画像: 前回のリオ五輪男子ゴルフはジャスティン・ローズが金メダルを勝ち取った(写真提供/IGF GOLF)

前回のリオ五輪男子ゴルフはジャスティン・ローズが金メダルを勝ち取った(写真提供/IGF GOLF)

ということは、全ゴルファーの中で唯一“オリンピック連覇”にチャレンジできる選手でもあるローズ。達成できれば史上初の快挙です。

現在オリンピックゴルフランキングは7位(2019年12月27日時点)。イギリスの選手で60位圏内にいるのはローズとトミー・フリートウッド(8位)の2名だけなので、東京五輪への出場資格も揺らぐことはないでしょう。

インサイドアウト軌道でボールを捉える

そんなローズはフラットでコンパクトなスウィングをする選手です。特徴的なのは、トップから切り返しで、左へスライドする動き。この動きが非常に大きい選手で、写真Aのローズの背面にある白いキャディバッグを目安にしてみると、その度合いがとてもわかりやすいですよね。

画像: 写真A:トップから切り返しで、体が左側へ大きくスライドしている(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

写真A:トップから切り返しで、体が左側へ大きくスライドしている(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

ダウンスウィングでは、グリップエンドが後方から見えるくらいのインサイドアウト軌道でクラブを下ろし、インパクトしています。

画像: インサイドアウト軌道でボールを捉えているのもローズの特徴のひとつ(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

インサイドアウト軌道でボールを捉えているのもローズの特徴のひとつ(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

現在スウィング改造の真っ最中

……と、ここまでざっくりスウィングを見ていきましたが、実はこれ、2018-19シーズンまでのスウィングなんです。SNSなどをチェックしてみると、ローズは目下スウィング改造の真っ最中。おそらく来年以降の試合ではガラッとスウィングが変わっているはずです。

画像1: BOB GRISSETT GOLF | TOUR COACH on Instagram: “Justin Rose DTL Driver” www.instagram.com
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Justin Rose DTL Driver

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昨年のシーズンオフからスウィング改造に取り組み、9月に開幕したPGAツアー2019-20シーズンでもその途上のまま戦っていました。2020年は、より安定した状態にまで仕上げて乗り込んでくるでしょう。

これだけ本腰を入れてスウィング改造に取り組んでいるのは、ローズにとって2020年が重要なシーズンという位置づけだからだと思います。オリンピックイヤー、そしてディフェンディングチャンピオンという立場から、より良い結果を出すための選択だったのでしょう。

ギアの進化や年齢も加味し、現状維持ではなく少しでも新しいものを取り入れて、世界を獲ったスウィングからさらに良いものに変えようと、常にアップデートを試みる姿勢がスゴいですよね。そういった努力が世界ナンバー1という結果につながっているのは間違いないです。

まずは2020年の前半戦、スウィング改造を経たローズがどんなゴルフを見せてくれるのか。注目ですね。

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