ゴルフはパッティングがスコアの40%を占めると言われる。それだけに、慎重にラインを読み、そのラインにボールに描かれた線やロゴを合わせるゴルファーは非常に多い。そこで、女子プロたちにそのやり方を聞いてみたら……予想外の方向に話が展開していった!

石井理緒はフェース面に対して平行にセット

「ラインにボールの線を合わせています。ラインを合わせないことはないですね。全部ターゲットに対して真っすぐに合わせています」(蛭田みな美)

そう語るのは蛭田みな美。まずは多くのアマチュアも実践する“ラインに線を合わせる派”の意見から聞いてみよう。

画像: 蛭田みな美はボールに線を書き、ターゲットに対して真っすぐ合わせているという。写真左が試合で使うボール、そして右の3つは転がりを確認するための練習用ボールなのだとか(撮影/小林司)

蛭田みな美はボールに線を書き、ターゲットに対して真っすぐ合わせているという。写真左が試合で使うボール、そして右の3つは転がりを確認するための練習用ボールなのだとか(撮影/小林司)

「私は線じゃなくて、文字で合わせています。“BRIDGESTONE”っていうロゴをラインに対して真っすぐ合わせます。でも、めちゃくちゃ入らないときは真っ白を上に向けます。イメージだけで打てるので(笑)」(吉本ひかる)

「私はネームを入れているんですけど、そのネームで合わせています。ラインに対して真っすぐ出せるように直角に置いてます」(石井理緒)

画像: 昨年プロテストに合格した石井はターゲットに真っすぐではなく、フェースに対して平行に合わせるようだ

昨年プロテストに合格した石井はターゲットに真っすぐではなく、フェースに対して平行に合わせるようだ

このように3選手とも“合わせる派”ではあるが、それぞれ自分のルールが微妙に異なるのが面白い。とくに、石井のラインに対して直角、フェース面に対して平行にセットするやり方は、ちょっと試してみたくなる。

6人中3人が「合わせない」と回答!

さて一方で、6人の女子プロに聞いたうち、半数の3人は「ラインに線は合わせない」という回答だった。そう答えたうちの一人プラチナ世代・古江彩佳はこう話す。

「感覚でやりたい派なので、“(契約するブリヂストンの)Bマーク”を上にして、打っています」(古江)

画像: 感覚派の古江彩佳は線を合わせずに(ブリヂストンの)Bマークを上に向けているそうだ

感覚派の古江彩佳は線を合わせずに(ブリヂストンの)Bマークを上に向けているそうだ

黄金世代・新垣比菜も「気持ち悪いときはロゴを合わせたりするんですけど、普段は合わせないです」(新垣)と、合わせない派。

“合わせない派”の新垣が「気持ち悪いときはロゴを合わせる」といい、“合わせる派”の吉本が「入らないときは真っ白を上に向ける」と対照的な意見なのも面白いところ。女子プロたちは思ったより感覚的にパッティングを行っているようだ。

さて最後は古江、新垣同様に“合わせない派”で、昨季初シードを獲得した淺井咲希。彼女のボールにはピンク色の線が引かれているが……。

「合わせないです。ピンクの線ですか? 可愛いから書いているだけ(笑)。元々はこれを(ラインに)合わせていたんですけど、合わせるのを気にし過ぎて自分の打ちたいラインに出せなくなってしまったので。なので、もう線は書かなくていいんですけど、ピンクが可愛いから書いてます(笑)」(淺井)

画像: 淺井が実際使用していたボール。ピンク色の線を引いていたが、可愛いから書いているだけと女性らしい意見だった

淺井が実際使用していたボール。ピンク色の線を引いていたが、可愛いから書いているだけと女性らしい意見だった

というわけで「可愛いから線を書いている」という衝撃的な(?)意見まで飛び出した。

読んだラインに線を合わせ、いざ打とうとアドレスすると、なんだかどうもあらぬ方向を向いている気がして、また仕切り直して……なんて状態になることがゴルフをしているとママある。そして、ようやく納得がいって打ってみたらそもそもラインが大違い、なんてことも「ゴルフあるある」だ。

そう考えると、“線”を合わせることに神経を使うより、女子プロたちのように感覚的にプレーしてみたほうがかえって結果が良かったりするのかも。

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