新年を迎え「今年こそ……」とスコアなど年間目標に思いを馳せるゴルファーも多いこの時期。それを叶えるクラブセッティングにも力が入るが、あるクラブフィッターは「調整以前にもし、これが出ていたら、交換を検討しましょう」と呼び掛けている。その理由は?

シャフトの経年劣化に注意!

「この時期はクラブセッティングを考えるのに最適な時期。とくにシャフトの差し替えを考えている方は、今がベストタイミングです。シャフトは差し替えればいいというものではなく、この季節に色々と試して、自分の感覚とクラブとの信頼関係を築くことが大事ですから」

そう話すのが東京・世田谷のクラブ工房「ザ・クラブワークス」のクラブフィッター・村上宏貴氏。「それとは別にこの時期、別の視点でシャフトを見て判断してもらいたいことがあります」という。

それは経年劣化によるシャフトの寿命について。

「もし、今のシャフトにこれが出ていたら、『代えようかな』と考えたほうがいいと思いますよ」(村上氏)

ギアに大いに興味があるユーザーがいる一方、ゴルファーには「道具には興味なくてもう何年も変えてないけど、ラウンドは欠かさない」という人も数多くいる。そんな人が使用するクラブシャフトに、その現象はよく出ているという。

画像: グリップ側のシャフトに表面化した‟ブツブツ”。これは内部のサビが浮き出ている証拠だ

グリップ側のシャフトに表面化した‟ブツブツ”。これは内部のサビが浮き出ている証拠だ

チェックすべきポイントはシャフトのグリップ側の近い部分。この部分に傷のような、ブツブツのような物体がないだろうか?

「これは(ブツブツ)は摩擦など外部から要因で残った傷ではなく、シャフト内部からサビが出て、メッキが浮いているような状態のシャフトは、シャフト内部にもサビが出ている場合が多い」という。

「要はシャフトの内部が劣化しはじめているサインで『シャフトのニキビ』と呼ばれるものです。これを放っておいて、サビが浸透し、シャフト内部の強度が低下し、このまま振り続けていたりすると、ある日突然『バキッ』っと折れる危険性も高くなります」

不可抗力⁉グリップ頭頂部からの雨水の侵入が原因

シャフトにも寿命があり、経年劣化が当然起こる。そして、この「シャフトのニキビ」は、外部からの衝撃などで傷がつき、サビとして表れるが、並行してこの症状が出たときは、シャフト内部もサビついているケースも多々ある。

「例えば、グリップエンド部分には穴がありますよね。雨が降るなかでプレーすれば、そこに雨粒が入り、その雨粒がシャフト内部に入り込み、保存場所の温度に応じて蒸発してサビになります。そのなかのサビはシャフト内部からの劣化を招き、外部の外傷と合わせてシャフトそのものの強度低下につながります。シャフトのブツブツは、それを表すひとつのサインと言えるでしょう」

画像: グリップ頭頂部にある通気穴。雨天時などのプレーでこの部分に‟水分”の流入がシャフト内部の腐敗の要因に

グリップ頭頂部にある通気穴。雨天時などのプレーでこの部分に‟水分”の流入がシャフト内部の腐敗の要因に

また、この‟ニキビ“がグリップ部分の近い場所にできやすいのにも理由がある。

「ほとんどの人がキャディバッグはクラブのヘッド側を上にして、立てた状態で保管します。保管時の温度や湿度にもよりますが、シャフト内部のグリップ側に貯まった水分は、管の上方に蒸発していくために、グリップ部分の周辺や少し上にできやすいのです」

ゴルフクラブは使われる時間よりも、保管されている時間のほうが長い。

「もちろん雨天時のプレー後のケアをより注意するなど、それなりに対策はありますが完全に防ぎきれるものではありません。使用頻度が高く、雨天時のプレーなど、劣悪な環境下でも熱心にプレーを続ける人ほど、そういったシャフトのニキビができやすくなるとも言えます」

というわけで、この「シャフトのニキビ」が出だしたら交換を検討するサイン。万が一スウィング中にシャフトが折れてしまっては事故につながる危険性もある。シャフト交換を検討されてみてはどうか、というわけだ。ついでに自分に合うシャフトを探して、パフォーマンスアップも同時に行えればなおいいかもいれない。

This article is a sponsored article by
''.