UT2モデル、アイアン3モデル、パターも2モデルから選べる“本気”の作り
昨年10月、イギリスの高級車「ベントレー」の名を冠するブランド、ベントレーゴルフが日本での展開を開始した。その製品は、ゴルフクラブから、バッグ類に至るまでゴルファーが身につけたいものが一揃い展開されている。
「ベントレー」のライセンシーとなり製品開発を行っているのは、PGEというイギリスの企業。パーツ系クラブに詳しい人であれば、10数年前に日本の共栄ゴルフが販売していた「ベガ」というブランドを知っているかもしれない。PGEは、数年前に「ベガ」のブランドを取得し、海外で展開している企業だ。他にも、いくつものブランド展開や製造開発を行っているという。
超高級車である「ベントレー」だが、所有者の趣味で多いのがゴルフなのだという。ベントレーユーザーが満足するラグジュアリーでハイパフォーマンスなゴルフクラブというのが、その触れ込みだ。
ドライバーとFWは1機種、ユーティリティに相当するクラブが2機種ある。アイアンは、ブレードタイプとキャビティ、そしてポケットキャビティの3機種、パターも2機種と堂々のラインナップだ。
販売方法にも特徴があって、基本的にバラ売りはせず、ドライバーからパターまでの14本セットとキャディバッグのフルセットのみで展開するという。クラブの組み合わせやシャフトの種類(スチールとカーボン)によって、販売価格が異なってくるしくみだ。気になるのはその値段だが、例えば、スチールシャフト装着のブレードタイプアイアンと、ツアーモデルのキャディバッグを組み合わせた14本セットの価格は、税抜で121万3000円。中古車ならそこそこの車が買えてしまいそうだ。
昨年、2019年はベントレー100周年ということで、世界で100セット限定のエクストラオーディナリーモデルが作られた。同じく14本のクラブにキャディバッグのセットだが、こちらは税別220万円だ。日本に入ってきたのは、わずか3セットだったが、すぐに完売している。
クラブのデザインは、「ベントレー」らしい流線型のデザインを活かしたり、バッグは車の内装に合わせたりと、既存のゴルフブランドではなかなかない試みを行っている。アクセサリーに使われるカーボン素材やキャディバッグの革素材には、「ベントレー」の内装で使用されているものが採用しているなど、芸が細かい。購入するのは、ほとんどの場合、「ベントレー」のユーザーだというが、アメリカではベントレーオーナーでない人の注文もあったという。
車のブランドと言えば、これまで「ポルシェ」や「ウィリアムス」のクラブがあったが、それほど認知は進まず、商業的にも成功していない。ベントレーゴルフもそれらのことを認識しており、超高級車のイメージに相応しい、ハイパフォーマンスと細やかな作り込みを重視している。
筆者は打つことは出来なかったが、実際にクラブやバッグ類を手にとって見ることが出来た。たしかに質感や仕上げの美しさなど、市場の一般的なゴルフクラブにはない優美な印象がある。構えた感じで言えば、なかなかシャープな形状で、上達志向の強いゴルファーを対象にしたモデルに見えた。
日本でもこれから販売店を増やしていくという。「ベントレー」のユーザーなら気になるアイテムだろう。