プレーオフ5ホールを終えて日没サスペンデッド。決着は現地月曜に持ち越し
現地時間月曜決着になったため優勝か準優勝か現時点ではわからない。しかし畑岡の戦いぶりはオフの充実ぶりをうかがわせるのに十分な内容だった。3打差の3位からスタートした最終日も「アグレッシブに攻めて行く」と4バーディを奪って先頭を行くパクに並びかけプレーオフ進出を決めた。
するとパクは2ホール目で脱落するも畑岡とロペスは5ホールを終えてともに譲らず日没となり日にちをまたぐ異例の展開となった。
「こんなに長いプレーオフははじめての経験です。今夜? とにかく美味しいものを食べてゆっくりします(笑)」と今月13日に21歳になったばかりの畑岡。
黄金世代のトップランナーは昨年の全英女子オープンで、同じ年の渋野日向子が日本勢42年ぶりのメジャー制覇を果たしたとき「素直に彼女の優勝を喜べなかった」と打ち明けている。
「なぜメジャーに勝つのが私ではなかったのか?」そんな思いが胸中に渦巻き悔しさでいっぱいになった。だがすぐに気持ちを切り替え悔しさをバネに日本のエースとして胸を張って戦うことを決めたのはさすが。
開幕戦の記者会見で彼女は「今年一番の目標は東京オリンピックの前に世界ナンバー1になるこ
とです」と堂々と強気の宣言を行った。「五輪の前に勝ちたいというのはもちろん、オリンピックには世界ナンバー1として出場したい」。
これほど明確に将来のビジョンを描き、それを公の場で口に出したプレーヤーはこれまでの日本のゴルフ界にはおそらくいなかった。
引退した宮里藍さんが世界ランク1位に浮上したとき、本人はなりたくてナンバー1になったわけではなかった。それゆえ戸惑い「本当に自分は1位に相応しいのだろうか?」と悩み、ほどなくナンバー1の座を明け渡している。
一方畑岡は21歳にしてすでに「ナンバー1になりたい」と強く願っている。そこには「自分はその地位に相応しい」という強烈な自負がある。
有言実行。
ひょっとすると彼女は自国開催のオリンピックに世界ランク1位で臨む最初で最後のプレーヤーになるかもしれない。