2019年シーズン、期待された初優勝に手が届かなかった松田鈴英。圧倒的な飛距離とショット力を持つ彼女が勝利をつかむことができなかったのは「ゴルフ以外のこと」が理由だと松田のコーチ・黒宮幹仁はいう。松田が勝利をつかむにはは、「脱●●●●」がカギだというのだが……!?

技術の前にトレーニング。トレーニングの前に、食事が重要

松田は現在、黒宮が主催し複数の女子選手が参加する九州での合宿に参加中。100ヤード以内のショット、そしてグリーン周りのアプローチを重点的に練習しているというが、黒宮いわくそういった技術的な部分は“二の次”で、本当に大切なことは他にあるという。

「大切なのは、食事→トレーニング→レッスンの順番。鈴英はポテンシャルはとんでもないものがある選手ですから、食事を制限すればすぐに勝てると思います」(黒宮)

松田はかなりの偏食。白いご飯が苦手で、作シーズン中は体重が7キロも落ちてしまった。しっかりとした食事は長いシーズンを戦う上で極めて重要で、食事改革は急務なのだ。その改革の一丁目一番地として、黒宮は松田の大好きなある食品を制限するという“非情通告”を行なったようだ。

画像: 飛距離とショット力を武器に初優勝挙げることはできるのか。来シーズンからの松田鈴英に注目だ(写真は2019年のサントリーレディス 撮影/姉崎正)

飛距離とショット力を武器に初優勝挙げることはできるのか。来シーズンからの松田鈴英に注目だ(写真は2019年のサントリーレディス 撮影/姉崎正)

「脱・タピオカです。空港に行くたびに『タピオカ、タピオカ』って、本当に好きなんですよ。今年はタピオカをやめる年です」(黒宮)

タピオカとは若い世代に人気のタピオカ入りドリンクのこと。俗に“インスタ映えするドリンク”とされ、それを購入してSNS上にアップすることは“タピ活”とも称される。タピオカドリンクを飲む=“タピる”ことの大好きな女性は非常に多く、一大ブームが継続している。

松田も21歳(1月24日で22歳)の女性。移動の際に“タピる”のを楽しむのは自然なことだ。しかし、
タピオカドリンクは一般的に糖分が非常に多いといわれる飲み物。アスリートの飲み物としてはいかがなものかというわけだ。

実際、合宿スタート前に専門家を招いて血液検査など体の状態のチェックなどを行なったところ、松田の数値はアスリートとしてはいまひとつ物足りないものだったという。黒宮は、体の状態が万全でないことの弊害をこう説明する。

「鈴英も含めて、多くの選手は体のいい状態を知らないから、多少悪い状態でずっとプレーしていてもなんとも思わないんですよ。ただ、食事とトレーニングがきちんとできていないと自分のしたいスウィングはできないし、仮にできても継続できないんです。集中力や、飛距離が落ちてしまったりもします」

だからこそ、まず食事。次いでトレーニング。それができて最後に技術なのだと黒宮は考えている。その一歩目が“脱・タピオカ”というわけだ。

アスリートは体が資本、そのためには食事が重要……というのは納得がいく話だが、「果物もダメ」と黒宮は厳しい。大好きなタピオカはNG、果物もNGとなれば、松田はなにを食べればいいのだろうか?

「干し芋ですね。調べてみると、干し芋はスーパーフードなので、干し芋を食べさせています」とのこと。タピオカに比べるとなんとも地味だが、“イモる”ことでパワーを引き出そうという作戦だ。

いずれにせよ、技術云々の前にまず大切な食事から改革がスタートしている松田鈴英のゴルフ。「本当に勝ち星につながることを始められているから、今年は本当に勝負。勝ちにこだわることのできる年になると思います」と、黒宮も言葉に力を込める。

今年は、干し芋をかじりながら優勝争いに臨む松田鈴英の姿が、何度も見られるかもしれない。

This article is a sponsored article by
''.